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『一冊でつかむ日本史』読了(追記あり)

武光誠さんの、『一冊でつかむ日本史』を読みました。


一冊でつかむ日本史 (平凡社新書)

一冊でつかむ日本史 (平凡社新書)

  • 作者: 武光 誠
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2006/05/10
  • メディア: 新書

例によって、感想は追記をお待ちください。

追記・感想

日本史のおおまかな流れを辿ってみよう。そして、それは、世界史からの影響も受けた

ということも併せて考察しよう。さらに、科学が歴史に影響を与えたということが大きい、

ということについても考えてみよう。

そのような視点で、日本史をおさらいするのが本編である。

古代、先住民が居た日本に、朝鮮半島から移民がはいってくる。移民は農耕などの技術

を持っており、一カ所に定住して稲作をするという生活スタイルが確立される。

世界のほとんどの地域では、アニミズムの考え方でずっと或る程度の時期まで(世界的

に交流が始まる時代まで)来ている。それが、ユダヤ教やイスラム教などの一神教の考え

方が入ってくることによって考え方が大きく変化する。

世界的には、四大文明も、乾燥した地域で発生している。日本などの住みやすい温帯地

域は、その文明をあとからあとから吸収することによって独自の文明を作っていった。

動植物を追いかけて移動する生き方から、稲作を中心にして定住する生き方へ。血縁集

団が出来、他の血縁集団との物品のやりとりも出来る。やがて国が出来(日本という規模

の国ではなく、日本内部の集団(塊))、天皇家が出来、それぞれの国の首長を支配する

ようになる。(といっても、農作物を強制的に吸い上げるというようなことではなく、神

託を与えるなどの精神的支配である)その後、貴族政権の成立。家の形成。地方豪族が力

を持つようになり、武士の出現となる。一部の武士が貴族として認められての政治。武士

道が起こる。戦国時代となり、武士による政治が始まる。鎌倉時代から産業の発展。そし

て江戸幕府が開かれる。外国からの開国要請。近代、現代へとつづく。

鎖国以前は、中国からの朱子学などを主に日本人は学んでいた。開国後は、西洋の科学、

哲学を学ぶようになり、学問のあり方が大きく変化した。

どの国、諸外国でも、やはり一時は貴族が力を持っていた時代があり、その後、武力に

よる権力の取り合いがあり、民主化している。貴族や首長が富を集中させていても、商業、

工業の発達により、町人、商人のなかから富を築く者が出てきて従来の力関係ではなくな

っていく。

武光氏は科学に明るいようで、科学が世界史に急激な変化をもたらしている、と述べら

れている。

その科学も現代では、近代科学も、誰でもが理解できる理論というものを超えて、量子

力学などの専門家にしか理解できないところまで発展した。そのことで、科学者と政治家

の責任のなすりつけ合いという現象も起きてきている。また技術の発展のために人材に資

金を投入しようという動きも減ってきている。

歴史を学ぶとき、偉人の人間性に注目することも面白い。公のためになることを無欲で

取り組みタイプもあれば、私利私欲の延長線上に功績があるタイプの人もある。

本編の紹介だけになってしまった。

世界史と、世界史のなかの日本史が、コンパクトにまとめられた本書だが、その感想を

端的に語ることも難しい。

歴史というものが、どういう風に変遷しているのか、世界史を観ても日本史を観ても、

同一の或る一定の傾向があるようである。

中学、高校の歴史の教科書を学ぶのが、その詳細を一度に把握するのにはよいが、こう

いう本で、全体の流れを掴むと、より知識欲が刺激されることと思う。

一つ感想として思うのは、大航海時代以前の人類も、それぞれに違った文化を持ちなが

ら、それぞれの場所で発展していたのだが、その発展、繁栄も皆、似たような道筋を辿る、

ということを思った。これは、たとえば一人の人間の人生を観てみても、あまり環境に厳

しすぎる過酷なものがない限り、その個人個人は、どこに生まれても、どこで育っても、

結果的には同じような現在に至る、ということも言えるのかも知れない、と。

そう考えると、科学技術の発展も含めて、すべては遺伝子に組み込まれている、という

ことも言えるのかも知れない。

・その他の歴史関連本の感想→  『知らないようでやっぱり知らない日本のしくみ』

『キリスト教と戦争(「愛と平和」を説きつつ戦う論理)』  『くもんのまんが古典文学館古事記』

『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』  『平家物語(くもんのまんが古典文学館)』

『一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書』

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