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伊集院静『作家の愛したホテル』読了(追記あり)

 伊集院静さんの、『作家の愛したホテル』を読みました。
作家の愛したホテル

作家の愛したホテル

  • 作者: 伊集院 静
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2009/11/19
  • メディア: 単行本
 例によって、感想は、追記をお待ちください。
 追記・感想
 まず、タイトルが、『私の愛したホテル』じゃなくて、『作家の愛したホテル』なのが意外性があってよかった。
 伊集院さんのホテルでの過ごし方が出てくる。ホテルでは、必ずホテル内のバーか近くのバーに出かけ、充分に酒を楽しんでから部屋に戻られる。
 観光やレジャーだけでホテルを利用されることはないそうだ。多くの締め切りを抱えているので、必然ホテルで仕事をしてファックスで原稿を送ることになる。
 伊集院さんは、部屋の窓が開くほうがいいらしい。空調で体調が悪くなる、煙草の煙を除去するため、窓辺に佇む時間が長いため、と、いくつもの理由がある。私も同じ理由で窓が開くほうがいい。
 一年の内、三分の二を旅行で時間を潰される伊集院さん。現在では、旅行時間は減ったそうだ。この本は、一番海外へ出かけられていた十年を要約されている。
 作家、城山三郎が語った「無所属の時間」。旅は無所属の時間なのだ、と。伊集院氏も城山氏に賛同されている。
 泊まったホテルが、どんな感じだったか、を語られる。それとともに、少しずつ自分の人生や物事に対する考え方を吐露されている。
 野球を青少年時代やられていたから、しかも、一時的に長期観戦のブランクがあったのだけれど、松井秀喜選手の活躍あたりから松井選手が好きになり観戦のためにアメリカにも渡られている。
 マイクタイソンの試合を見られたり、ゴルフをされたり。
 モロッコのホテルで、風邪をひき、掃除の青年に看病してもらった話は、心温まる。
 京都の宿で、トクという老女に世話をやいてもらった話も心温まる。
 イギリスのホテルで、早朝にホテルの窓から鷲のつがいの滑空を見た、その描写に胸躍らされた。
 やはり、現地に行って、ライブで楽しむ、ということが人生には必要なのだと思った。
・伊集院静、他の作品→   『無頼のススメ』   『乳房』  『岬へ』

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

書評
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