『迷惑メールは誰が出す?』読了(追記あり)

 岡嶋裕史(おかじま ゆうし)さんの、『迷惑メールは誰が出す?』を読みました。


迷惑メールは誰が出す? (新潮新書)

迷惑メールは誰が出す? (新潮新書)

  • 作者: 岡嶋 裕史
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/05/31
  • メディア: 新書

 例によって、感想は追記で挙げますので、しばらくお待ちください。

 

 追記・感想

 感想というより、殆ど本編の紹介になってしまいました。

 アンダーグラウンドな商材を扱う会社が、購入者を獲得する為に、迷惑メールを出すことが多いようです。(TVなどでは宣伝しにくいし、消費者も店頭で買いにくいような種類の商品を扱う会社です)

 もう一つは、個人や会社を困らせようと個人が送りつけるメール。
 さらにもう一つは、ウィルスを仕掛けて他人のコンピュータを破壊しようという意図のもの。

 去年だったと思いますが、迷惑メール防止法が施行されました。
 それまでは、「未承諾広告」と件名に入れれば、相手に了解を得ていなくても宣伝や商品紹介などのメールを出せたそうです。その代わり、受信拒否できるように受信拒否の仕方を本文中に入れておかなければならなかったのです。
 迷惑メール防止法施行後は、広告メールは、オプトインといって、受信者に了解を得てから送ることになりました。

 詐欺に限らず、全うに商品を売る場合でも、不特定の1000人に広告メールを送って、その内の一人に購入してもらう、というくらいの確率らしいです。

 どういう方法で、迷惑メールを見ず知らずの人に送れるのか、という手口についても書かれていました。
 桁を決めて、@マークより前の部分の文字列の組み合わせを全部創って配信するという方法。この方法によって、宛先のないメールの受信エラー通知だけでも、受信側のサーバには高負担になる。
 辞書を使って、ありそうな文字列を予見してアドレスを推測し送りつける。
 さらに、ブログやホームページのソース・コードからメールアドレスを割り出す、という方法まで。
 迷惑メールの送り手側のアドレスも、フリーメールを使う以外にも、サーバ・ネットワークの一員になりすます。或いは、独自にサーバを創って、大手ドメインに似た文字並びで消費者を騙し、偽のホームページに誘導する等。色んな方法があるようです。サーバを持って発信する方式だと全く同じ送信者アドレスに偽装することすら出来るのかも知れません。

 迷惑メールが増えることによって、一番問題なのは、各々のサーバの負担が増す事だそうです。

 今のところ、メール発信側サーバでの選り分けは難しいらしく、受信側サーバでのスパムの選り分け、か、端末の受け手のコンピュータのセキュリティーソフトによる防護が一番有効である、と書かれていました。

 システムを、ハード・ソフトを、防護性の高いものにネット人口の全員が一遍に移行するという事は難しいので、それぞれがセキュリティー意識に応じて対応していくしかありません。

 後半に、「インターネットをやめてしまう、というのも選択肢としてありますが…」と書かれていましたが、政府ですら「電子政府」を志向している時代の潮流のなかでは、難しいことかも知れません、と書かれていました。

 この本が書かれた直後だと思うのですが、迷惑メール防止法が施行されて、大分、状況は改善されたように、私は感じます。

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コメント

  1. 新宿トモ より:

     以前アフィリエイトのシステム構築を頼まれ行った先の会社が、実は出会い系サイトや懸賞サイトで金を儲けていたところで、CVSデータを広告代理業から月に2000~3000万掛けて購入していましたね
     当然事実を知ってからは、揉めに揉め、その会社から金をふんだくってやりましたけどw

  2. 山雨 乃兎 より:

    >新宿トモさん
    ネットの業界なんて、蓋を開けてみればそういう物かも知れません。
    大体、そういう予想も出来た上で色々やっているのですが……。
    実入りを獲ってくるとは流石ですね。
    また、ブログにもお寄りしますね。(^。^)

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