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『アネゴ』読了

 初めに、河合隼雄先生の逝去に際し、ご冥福をお祈り致します。

 

 林 真理子さんの『anego』を読みました。

anego (小学館文庫)

anego (小学館文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/06/06
  • メディア: 文庫

 商社に勤める主人公(女)の、恋の遍歴。

 本気で愛する人ができない限りは結婚したくない、とは女の人に限らず、男でも思うものです。

 女の人の、男を値踏みする心中などがありありと書かれていました。

 でも、僕個人の見解としては、男の方も、同じように、心中では値踏みしているのが現実だから、まあオアイコかなあ、と思いました。

 主人公の心中の描写や、普段の考え方などがずっと本編中に挟まって描写されていて、ちょっと重たいなぁ、等と思っておりましたら、後半それも殆ど終わりがけになって、重要人物の心中というシナリオでした。その場面では、ドキッと衝撃を受けました。

 女の方が夫をより愛している夫婦。その女の相談にのっている内に、夫の方と不倫の、しかも真剣な恋愛になってしまう。女の方は、精神を病んでいて、色々、相談してきたり、夜中に電話がかかってきたり(主人公の処に、(主人公は以前、女の先輩だったから))、何とも、鬱陶しい女。

 しかし、女の夫も、以前に不倫の大恋愛をしていて、それが元で、女は精神を病んだ訳です。

 後半の、心を病んだ女とその夫が心中をして、夫だけが生き残るという場面がエンターテインメント性を感じましたね。

 今は、晩婚化の時代だし、僕自身も含めて、婚期を逃してしまった気持ち(男も女も)が、よく分かるし、実に生々しく書かれていました。

 余談ですが、商社マンは海外転勤で何年も海外で仕事をするようになると、無理からでも英語を覚えるとか、広告代理店の独身社員(男)は、センスがあって、恋愛に慣れているとかいう考察も多分事実に近いんでしょうし、面白かったです。

 分量が長いので、人物描写などのジャブも効いてくるし、後半に事件も起こって物語が弾けるし、読みごたえがありました。

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コメント

  1. 風のおっちゃん より:

    こんにちは、地震には肝を潰しましたね
    家が潰れると思える揺れでした。
    中越の人は他人事に思えませんね
    是からも宜しくお願いします

  2. 山雨 乃兎 より:

    >kazeさん
    震源地から離れていても、揺れは酷いですね。
    僕も、阪神淡路大震災のとき、兵庫内陸部(自宅)で震度4を経験しました。
    こちらこそ、これからも宜しくお願いします。

  3. おみ より:

    やっぱり、ちょっと重かったですか?
    鬱陶しい存在、とかって、
    本を読んでいると『ちょっ、それはどうなの?』とか
    客観的に思えるものですが、
    実生活で主観的になってしまうと、そんな分析は出来かねるかなと。
    だから、こういう話とか読むと
    戒めにもなるかな〜、と思ったりして。

  4. 山雨 乃兎 より:

    >おみさん
    ドラマなんかでも(林真理子さん原作のもの以外でも)精神的に病気の手前のような状況になって友人に夜中に相談の電話をかけてくる、というシーンはよくありますね。
    翻って、自分は友人、知人に重たい存在になってないだろうか、と自身に問うと、やっぱり把握できてなくて分からないですね。
    しかし、作品としては、これでもかこれでもかという感じで主人公に相談してくる鬱陶しさが、作品の重みを増していました。
    もう一、二冊、林真理子さんの作品を読んでみようと思います。男性にはついて行きにくい処もあるのですが。(笑)

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