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小説に書いたら不自然な文章

小説の書き方講座
UnsplashKiwihugが撮影した写真

 YouTube動画で、ストーリー物があるんですが、どうも、冒頭から不自然な文章(セリフ)が出てくるので、毎回観ていて躓きます。

「僕の名前は、****と言う」

 これ、絶対に可笑しいでしょう。

 初対面の人に、自分をわかってもらうときに、「おれの名前は、****です」なんて言わないでしょう。

 なんで、「名前は」と言うんでしょうね。

 小説でも、最初に主人公の名前を明かしたいなら、

 おれは、千田幾男(せんだ・いくお)。

 これでいいでしょう。

 ちなみに、この例文は、拙著『キャバレー・ウエスト・ムーン』より引用。

 英語でもそうです。

 My name is junnichi muroi.

 そもそも、これが可笑しい。

 これを聞いたネイティブは、日本でいう武士の仰々しい自己紹介に感じるそうです。

 Hi I’m Ryoichi Inami. Please call me Ryo.

 これが自然でしょ。

 それから、冒頭で主人公と登場人物の特徴(学歴・現在の職業・人柄・家族構成など)を一遍にに書かないでください。

 読む気なくなるでしょう。

 登場人物の特徴を、説明で長々と書かれても、実感が弱いですし、頭に入ってきません。

 物語が展開するなかで、それぞれの人物の言動、または主人公の独白によってリアルに理解できるんです。

 おれは、潔癖で何事も最後までやってしまわねばならない性格だ。と書いたとしても、主人公はそう思っているが、他人が客観的にみたらそうではないのかもしれない。

 だから独白とともに、主人公の実際の言動というのも大事になってくる。

 おれの名前は、室井純一で、年齢は61歳。個人事業主をしている。父は、3年前に脳梗塞で他界していて、母は年金暮らしでおれと同居している。兄妹は、上に兄と姉、下に妹がいる。姉の年齢は、66歳で、兄は63歳で、妹はおれとは年が離れていて今年50歳になる。
 おれのやってる仕事は、インターネットを使ったいわゆるECサイトで物を売る物販で、年間の売上は1000万、年間の利益は、300万ぐらいだから、おれもそこそこやっていると思う。
 おれは、中学生時代に酷いイジメを受け、~~

 いい加減にしろーー、ですね。

 でも、それなりに読めるなぁ。小説を下手に書くのは難しい。

 小説を書く人は、気をつけてください。

コメント

  1. sakamono より:

    とてもよく分かります。物語を進める上で、登場人物やら状況やらを読み手に伝えたいのですが、山雨さんが例示しているような説明をするわけにはいきません^^;。どうやって自然に伝えようかと、いつも頭を悩ませている部分です。いっそ、あまり説明し過ぎなくてもよいのではないか、と最近思い始めています。

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