三田誠広さんの、『哲学で解くニッポンの難問』を読みました。
例によって、感想は、追記をお待ちください。
追記・感想
全編、当たり前の回答が書かれていると思った。
でも、相談者にしてみると、当たり前のことに気づかないのかもしれない。
主に力を入れて書かれているのは、老後の夫婦の問題。昼間から寝間着姿で妻に指図する夫には、なってはいけない、と。
定年後できる趣味を現役時代から始めておこう、と。そうでないと、定年になってからではなかなか習得が難しい。
そして、どうしても離婚したかったら、離婚する道も著者は否定しない。
もう一つ、内容で注目したのは、「大人になったら、田舎でない限り、息子・娘には独り暮らしをさせよう」ということ。
田舎では、地域の用事などがあって、そこで親睦をはかるということがあるが、都会にはそれはない。
家族は、夫婦を単位に暮らさなくてはいけない。親子が同居するのは、子どもが独り立ちをするまでだ、と仰有る。
そして、独り暮らしのスタートにあたって住居費の敷金・礼金が本人の力では捻出できない場合、親がそこは援助してでも外へ出すべきだ、と述べられていた。
たしかに、一理あるとは思った。精神的に、大人になったら親子は切り離れるべき、ということだろう。とくに自炊の苦労を若いウチにしておくべきだと書かれていた。
また、「日本という難問」の項では、日本のルーツ、原爆がなぜ落とされたのか、長崎の原爆は戦争終結には意味がなかった、というようなことも書かれていた。
三田誠広さんが、難問に、哲学的文章で答えた1作だった。
相変わらず、文体が暖かい。