小暮陽三(こぐれ ようぞう)さんと小暮満寿雄(こぐれ ますお)さんの共著、『物理のしくみ』を読みました。
本編の内容を噛み砕いて紹介する、ということは、僕には無理なので、感想という形にします。
小暮満寿雄さんの漫画が、随時挿入されていて読みやすかった。
物理学には、「現代物理学」と「古典物理学」があり、予測可能な現象を扱っているのが「古典物理学」。
故に、「古典物理学」は、教科書でも扱われている。正解のはっきりある学問ということらしい。
一方、「現代物理学」は、現在、研究が進行中の物理学。相対性理論や量子力学もこちらに入る。
全体を通して、「分からなくても、次に読み進めてください」と小暮満寿雄さんは仰有っている。
全部を理解しようとするよりも、ミクロの世界や宇宙では、こういう事が起こっているのか、と輪郭をつかんで、興味を持つのがよいことだとされる。
この本に書かれていたのか他の本に書かれていたのか記憶がごっちゃになりましたが、日本の受験制度は中国の「科挙」をイギリス経由で輸入した制度らしい。だから、無理にでも詰めこむことが優先の勉強の仕方になる。それは、それで、いいと思いますが、大人になって敢えて専門外のことに興味を持って知ってみたくなったら、無理矢理に詰めこむやり方はしなくてもいい訳です。
小暮満寿雄さんが、お父様を尊敬されている感覚が伝わってきます。優秀であったということだけでなく、その気概にも一目置かれるところがあったようです。
特殊相対論、一般相対論、量子力学、光は粒なのか波なのか、重力によって光は曲がる、原子、そしてその中の陽子、中性子、そして、その中の素粒子。
一部、危険物乙種第四類の試験勉強と重複するところもありました。
ホワイトホールが、現在観測可能な宇宙空間には存在しない(或いは、厳密なホワイトホールは観測されていない)という説が、現代では一般的らしいです。
もし、ブラックホールに吸い込まれてホワイトホールに出るのだとすれば、それは、時空を超えたビッグバンが起こっているスタート地点らしいです。
ビッグバン自体が、何回か繰り返されて現在に至っていて、我々は、何回目かの宇宙に居るという説もあるそうです。
この本は、僕にとっても分かりやすかったです。でも、やっぱり分からないまま読み進んだところもありました。
理論の仮説を立て、実験をして正しいことを立証する。多分、こうなのに、と、昔でも現代でも学者たちは歯がゆい思いをしながら検証しているのだな、相当、根気の要ることだな、と思います。
人は一生をかけてまで、後世のための仕事をやりつづけるんですね。
小暮満寿雄さんの漫画で紹介される、満寿雄さんの子供時代は、僕の子供時代と近くて、懐かしく思いました。全編を通して、暖かい心が伝わってきました。
物理の内容の方は、本編をお読みくださいね。
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