渡辺俊男さんの、『人はどうして疲れるのか』を読みました。
感想は、追記をお待ちください。
追記・感想
肉体の疲労よりも神経・精神の疲労が多くなっている。
それは、農耕社会から産業革命を経て、さらに現代では頭だけを使うデスクワークが多くなっ
てきたかららしい。
疲れるから休息する。
休息して身体をリセットして、また頑張る、という事が仕事の効率を上げ、生き甲斐にもなる。
疲れないで軽い負担ばかりのルーティンの日々だと、人間、生き甲斐や意欲が減っていくらし
い。常に新しい刺激を求めるのが人間ということのようだ。
心臓の鼓動は、フィードバックによって成り立っている訳だが、常に緊張した精神状態だと心
拍の速い期間がつづき、心臓が一拍のなかで休んでいる時間も短くなってしまうから長生きで
きないらしい。
リズムある生活が良いとはされるが、いつも一定のリズムでは心の新鮮さを失う。1/fの揺
らぎが自然界にあるように、人間もたまに一定のリズムからは逸脱することを本能が求めている。
私にとっての新事実としては、柔らかい物を持つときや、中途半端な姿勢を長く保持するとき
には、人間は逆方向への筋力を同時に使って、プラスマイナスしてその姿勢を維持しているから
早く疲労する、という事実だった。
有効な疲労回復法の章では、精神的疲労の原因になっていることを除去することが疲労回復へ
の根本的なアプローチだと書かれていた。すなわち、意識的に休むことや、ストレス源になって
いる人間関係を整えること等だ。
この本に書かれていたことを正確に書いている訳ではないのだが、人間というのは刺激を受け
脳が興奮する方向へ加速していく。それを修正するのが、リラクセーションや睡眠であるのだか
ら、睡眠がやはり、疲労回復には一番重要なファクターだと言える。
人間というのは、エンジンのようにフィードバックによって遊びにしろ仕事にしろ加速して楽
しみ、そして、疲労するから回復のために休む、或いは栄養補給するということだろう。
のんべんだらりとした遊びや仕事では楽しめないし、効率も上がらない。
しかし、疲労があることによって、回復行動をとるように創られているのが人間なのだろう。