『35年間に38回のミリオンセラー<100万個販売>を達成した男』読了(追記あり)

 小山良(こやま ただし)さんの、『35年間に38回のミリオンセラー<100万個販売>を達成した男』を読みました。


35年間に38回のミリオンセラー<100万個販売>を達成した男

35年間に38回のミリオンセラー<100万個販売>を達成した男

  • 作者: 小山 良
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/03/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 感想は、追記をお待ちください。

 

   追記・感想

 

 「永光」という名の会社を経営しておられる著者。

 35年間で、38回の、各商品ごとの売り上げが100万個を突破した記録を持たれて

いる。

 小企業です。資本金も多くなく、社員数も少ない。十数人です。

 業務内容として何をやられているかといえば、「売れそうな商品を見つけてきて、開発

者や製造元と交渉し、大量に仕入れてきて市場に流す」ということです。ときには、「商

品の改良も打診する」。

 大手百貨店に大量に卸す、というルートは持っていらっしゃらないようです。

 新聞広告を打って電話注文を受けるか、通信販売にするか、実演販売をされる。

 商品によって、売り方を変えられる。

 商品が口コミで評判になってくると、大手百貨店やら大手スーパーからも注文が入るよ

うになって、売り上げが加速する。

 大ヒット商品で、我々も知っているものといえば、「かるがも時計」「インフルエンザ

対応マスク」「テレビ回転台」などがあります。

 「かるがも時計」は、社長ご自身が中国の見本市に行かれたときに目をつけられて、中

国で売っていた会社に直接契約されました。

 「インフルエンザ対応マスク」は、鳥インフルエンザ問題が発生したときに、将来、パ

ンデミックが日本でも起こることを予見されて、中国(だったと思いますが、間違ってい

るかもですので、正確には本編でご確認を)の製造工場に大量注文されている。しかも、

中国の工場は衛生的でなく劣悪な環境で仕事をしていて、作業する人の衛生に対しての意

識も悪かったので、その契約した工場に何度も指導に行っていらっしゃる。そして、飛沫

感染を防ぐための改良も指示し、その後、買い付けた商品は売れるのは売れていたが、そ

んなに爆発的な売れ行きではなかったが、新型インフルエンザ流行のときに飛ぶように売

れた。その後、東日本大震災の折には、在庫を大量に被災地に送られている。

 在庫を出来るだけ少なくするのが、現代の大企業のやり方です。運転資金の食い込みが

少ないのが理想だからでしょう。ですが、小山さんは、在庫を抱えるやり方です。いつで

もチャンスが巡ってきたら売る自信があるからでしょう。ときには、在庫の商品に少し変

更点を持たせることによって吐き出します。イザとなったときにスピーディーに供給でき

るので、儲けを逃さない。でも、売れる商品であるかどうかは、ご自身の経験と直感でし

っかり吟味されています。

 ご自身の商いを、「ダボハゼビジネス」と言われます。とくにカテゴリーに拘らずに、

売れると思った商品は仕入れて売る、というスタイルです。

 大阪アベノに生まれ育たれた。だから楽観的なのだろう、と仰有います。

 小・中学校時代は勉強はお出来にならなかったとか。それでも、化学にだけはのめり込

まれた。その知識が、商品の買い付けにも活きています。なぜ、現在のご商売をされるに

至ったかは、本編に半生記がありますので、是非お読みください。

 近年はボランティアーにも邁進されています。それも、新興国に建物を建てて終わりの

やり方ではなくて、日本で働きたいというフィリピン人青年の身元引受人になったり、現

地で生活や教育の支援をされたりしています。

 儲けすぎないこと。市場を独占されることはなく、その商品で潮時が来たらあっさり撤

退されます。社長ばかりが儲けを多くとることはせず、社員に還元されています。多く儲

かると、ボランティアの資金に回されたり、寄付をされたりしています。

 神頼みはされないらしい。そんな暇があったら新しい商品のアイデアを練る、と。

 編集者と二人で本編は書かれていますが、その編集者が書かれた「あとがき」では、「も

のが売れない」時代になったけれども、ニッチ商品で作り手がちょっとした思いとアイデ

アを凝らした商品は、着実に売れている、と書かれています。

「もはや買うものがない」と言いながらも、いったん「欲しい」と思えば、人は簡単に財

布のひもをゆるめるのです。【編集者筆部分、本文引用】

 安ければいいというものではない。それは確かです。「安い」うえに「目新しく」、「納

得のいく理由」がないとダメなのです。そういう商品なら衝動買いもするものでしょうし、

「とりあえず買っておこう」と必要以上の数を買うことだってあります。【編集者筆部分、

本文引用】

 全編を読んで、「これくらいやれたら、大したものだなぁ」と思いました。

 自営をして確実に利益を出す。

 とくに普段からアンテナを張っていることと、直感が働くということが大きいのでしょ

う。

 小山さんも、興味が向いたらとことんまでやってみるタイプだと思いました。

 儲かっていると、周りを明るくするなぁ、とも思いました。

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