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『60歳で小説家になる』読了(追記あり)

 森村誠一さんの、『60歳で小説家になる』を読みました。


60歳で小説家になる (幻冬舎新書)

60歳で小説家になる (幻冬舎新書)

  • 作者: 森村 誠一
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/01/30
  • メディア: 新書

 例によって、感想は、追記をお待ちください。

 

   追記・感想

 

 本編の文字が大きい。

 老眼になっている年代を、読者として意識して、文字を大きくしたのだろう。

 

 定年退職してから、死ぬまでの期間が、医療の進歩とともに長くなっている。

 60すぎでも、まだ働けるのに、一線からは退くように促される。また、そうでないと、

若い人の仕事がなくなる、ということもある。

 人生経験豊富だからこそ、小説家になろう、と。

 若いときに受賞して小説家になったような人だと、仕事の実際を描けない。小説に登場

人物の仕事として登場させる仕事も、教師や作家や病人などと幅が狭い。定年まで仕事を

してきた人こそ、それぞれの体験したリアルな仕事の様子を描くことが出来るのだ、と。

 自叙伝は、または、自叙伝的な小説は、死期が近づいてきてから、一作書けば充分であ

る、と仰有る。

 ミステリーの創作方法については、詳しく書かれていた。

 力作が受賞を逃した場合、選考委員を内心で馬鹿にすればよい、と仰有る。

 新人デビューできるか否か、は、執念を持ちつづけるかどうか。

 作品のエッセンスは、ICレコーダーやデジカメで記録したものを使うことが多いらし

い。私も、見た夢の記憶をノートに書いたりするが、森村氏と同様、書いてるそばから流

出してしまう。記録するのが間に合わない、ということがある。ICレコーダーに肉声で

吹き込む、という方法が一番硬いと思える。

 やはり森村氏は、ミステリーの書き手なので、純文学よりエンターテイメントのほうが

格式が高いし、創作が難しいしレベルが高い、という意識を持っていらっしゃる。純文学

の作家に聞くと反対の答えが返ってくるだろう。

 仕事を離れ、組織に属さなくなってからもつづけられる、一人でも出来る意味のある仕

事が小説家なのだ、という結論だった。

 私の感想としては、新人賞を受賞するのが簡単ではないから、こういうふうに万人に小

説家になるように促しても、無理があるなぁと思えた。なれない人のほうが圧倒的に多い

のだから。

 普段自室に居ても、きちんと服を着て引きしまった気持ちを持つことが大事である、と

か、女性と会話する機会を持つことが、創作意欲を維持させるためにも必要である、など

という意見には首肯した。

 いずれにしても、小説を書く生活というのが、孤独になりがちな老人にとっても健康を

維持する一つの方法であることは間違いないと言える。

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