工藤美代子さんの、『余韻のある生き方』を読みました。
書評、ちょっと、いや、しばらく待ってくださいね。
では、また追記で…。
追記・感想
余韻の必要性・重要性
【今回の書評は、本編のネタバレを含みます。ご了承ください】
工藤さんは、二回離婚されて三回結婚されている。
そのことも含めて、ご自身の人生経験から得た生き方哲学が語られる。
余剰や余裕と、余韻とは意味が違うと始めに語られていた。
この殺伐としたご時世でも、余韻は必要だと仰有る。余韻とは、その人にもう一度お会
いしたいと思わせる接し方。新しい人間関係を生む呼び水、と称されている。
余韻のある人とは、また逢いたくなる
カナダのバンクーバーで大学に通われていたときのお話。ニューヨークの特派員の方
(日本人)に出会って、「ニューヨークの女は大人だ。ベッドをともにしても、つぎの朝
電話番号も聞いてこない。あっさりしたもんだ」と得意げに話されていたらしいのですが、
その後、ニューヨークの在住の女性とその話をしてみると、「それは、単に、その男(特
派員)のセックスがよくなかったから、女性の方が、もう会いたくない、と思ったからよ」
と聞かされた。というお話が出てきます。つまり、男性の方が、余韻を相手に残せなか
ったという例ですね。
総理大臣からお食事会に招かれたときのことも語られていました。
招待されたのに、こちらが挨拶しても返事もされなかったそうです。その当該の総理大
臣は。失望して、その後の原稿依頼のお話も断られたそうです。
大企業を興した人の述懐
「子供を甘やかせてはいけない」の項では、大企業の創設者の遺言のような述懐が出てき
ます。自分は苦労して始めは貧乏なところからスタートして頑張ってきて、子供たちには
そんな苦労はさせたくない、と生きてきたが、それが裏目に出た、との事。親に何でも与
えられ苦労しらずに育った息子たちは、人の心が分からない人間になってしまったらしい
です。
短気は損
「負の遺産」の項では、工藤さんご自身が先祖から受け継いだ短気な一面について語られ
ます。これは、私にも当てはまると思いました。折角の話が短気を起こしたことによっ
て纏まらなくなることはありますね。工藤さんも、ご自身に、その遺産の引き継ぎがある
ことを自覚されかけてからは、意識して、少し忍耐する、或いは一寸間をつくるなどされ
ているようです。
相手の印象に影響するのは、帰り際
心に残るのは、帰り際だという事。最初の挨拶も勿論大事だが、帰り際に、その人と会
えたことを感謝する一言を言いましょう、と仰有っていました。未来型の話題も出してお
くと、相手が心に留めてくれるようです。共通の興味あることなどで、「今度、**のコ
ンサートに一緒に行きましょう」などといった形です。
草食系男子をいかに改造するか、相手から告白させるには、などの、女性視点での恋愛
術についても書かれていました。アセクシャル(性的なことには、一切関心がない)な男
性でない草食系の場合は、女性側から改造できるようです。
しかし、感想としては、よくもまあ、これだけ女性優位な考え方ができるなぁ、と、少
し私としては呆れましたが…。
女性は、一人でも生きてゆけるスキルをつけるべき
夫婦は他人同士だから、離婚する場合もあるという前提を常に頭の隅に置いておきまし
ょうと語られていました。そして、女性も、一人でも経済的にやっていけるように普段か
ら準備しておきましょう、と。それがあると、離婚の話し合いでも、心の負担が随分楽で、
決裂という形でなく余韻を残して別れることが出来やすいそうです。
他人同士の団欒でのマナー
あとは、接客のマナーなどを取り上げられていました。接客といっても、個人が家にお
客さんを招く場合やホームパーティーや、相手の家にお邪魔した場合のマナーです。
個人によっては、習得していないマナーがあります。こんなことは、これで常識のレベ
ルをマスターしている、と思っている場合でも間違っている場合もあります。(細かく所
作の順番を決められているといった類のマナーではありません。あくまでも、相手の尊厳
を大事にしているか、といった心が顕れる所作です)
皇室言葉なども紹介されていました。
詳しくは、本編をお読みください。
ブランド物を身につけての競争は意味がない
ブランド物を身につけて女性同士競争するというのは、意味のないことだと仰有ってい
ました。ブランド物を否定はしないが~と、論旨はつづきます。
例として、一流ホテルでの対応の悪さからの苦い経験を語られています。
私も、一流ホテルには泊まったことはありませんが、ホテルでは、随分、好悪どちらの
経験もしました。
感想
最後に、感想として思うのは、工藤さんも本編で取り上げられているのですが、皇室の
方々の気品のある微笑みや余韻、醸し出す柔らかい雰囲気。また皇室に限らずとも、一般
の方のなかにも、おっとりとした、その人と出会うとなごんでしまうような人は居るわけ
です。かと云って、仕事などの面でスピーディーでないという訳でもない人が。
こういう殺伐とした、誰もが生活が必死で時間的余裕がないときだからこそ、人と人と
のつき合いには、相手に余韻を与えるように心がけたい。そういう人になりたいと思いま
した。
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