第一回小説宝石新人賞受賞作、大田十折(おおた とおる)さんの、『草葉の陰で見つけたもの』を読みました。
僕もこの賞に応募していて、『ホテル・琵琶湖イースト』だったんですが、自信作だったんですが、大田さんの作品には負けました。
何よりも、設定のアイデアが特異なんですね。それに、後半の主人公の行動などの描写と同時に心の中を描写していく場面では、グラッと眩暈を起こしかけます。スピード感もあるし、読者の方が、後半に来ると速く読みたくなってしまう、不思議な感覚にさせます。速く読むのだけど、内容は刻銘に頭に入ってくる。
『ホテル・琵琶湖イースト』も、後半、スピード感は有るんですが、主人公の心の内面を刻銘に、否、せっぱ詰まる感覚というのが弱いと言えます。
この作品応募時に二十歳とは、凄い才能です。
内容(特にあらすじ)に関しては、書くのを控えます。全く知らないで読まれた方が楽しいでしょうから。
『小説宝石六月号』で、本編をお読みください。
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