僕とBくんは、バンドを創ろうと、本気になって、僕が雑誌に募集をかけた。
連絡先は、彼の家の電話だったと思う。
三組から連絡があった。
僕は、その内の一組と会った。
相手はテープを用意してきた。
Bくんも同席したので、その場(喫茶店)で相手のオリジナルテープを聴いた。
Bくんは、
「他には、ないのか?」
と、ずっと相手に訊いていた。
僕と相手は、帰る方向が一緒だったので、僕は、相手に打診して相手の家に行った。
ご両親と別に、隣にマンションの一室を彼は借りていた。
彼の部屋にいくと、ウルトラセブンのビデオがあった。
全シリーズが揃っていた。
彼は、ウルトラセブンに詳しかった。
彼と別れてから、数日が経ち、Bくんが、僕に連絡してきた。
「おい! 大丈夫なのかよ。山雨(ホントは本名)。お前の目指してるフュージョンと全然ちがうぞ。ああいうのをサイケって言うんだよ」
彼の音楽は、白鍵だけで、三度ずつ音が移動する伴奏が殆どの曲だった。
「山雨、どっちにしても、お前に任せるからな」
そう言って、Bくんは電話を切った。
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コメント
>家出少女りえの掲示板さん
ナイスを有り難うございます。(^。^)