「自分に厳しいことを言ってくれる人を大事にしよう」というときの、前提

 自分に厳しいことを言ってくれる人を大切にしよう、という、さも理想論でありそうなセオリーを、

その前提条件を知らないで護っている人も多いと思う。

 人生に対しての教訓・道徳などが詰まっているのが、聖書の箴言(しんげん)だが。

 箴言は、ソロモン王が自分の息子に宛てた手紙形式文体になっているのだが。

 

 この箴言で諭されている事柄は、道徳そのものである。しかも、どちらかというと法律的にも間違ったこと(内容が)をしている場合に、それを厳しく叱責し、また叱責する者を友としなければ人生にとって損である、と説いているのである。

「他人の物を平気でくすねる」「他人の妻と肉体関係を結ぶ」「身に余る贅沢をして親の財を食い尽くす」「賄賂を要求する」「賄賂を贈る」「自分より体力が劣る者に、理由なく暴力を与える」

 こういった事柄を叱責しているのであって、たとえば自分の原稿を「もっと勉強しなければ、君の作品はまだ甘い」と、立場もわきまえないで言ってくるような人の忠告も受けよう、とは書いてない。

 たとえば日々生業の仕事は目一杯やっていて、休日に家計に負担のかからない程度パチンコで遊んでいるような場合、「パチンコは、だらしない遊びだからやめろ」というような、さも理想論的な教導的なことを言ってくる他人にも、その意見を聞くべき、とは書いてないのである。

 殺すな、盗むな、姦淫するな、と十戒の最初にはあるが、最初にモーセが受けた十戒では、

殺すな、姦淫するな、盗むな、の順番だったのである。

 殺人の次に、浮気が罪が重いのである。窃盗よりも。

 それだけ人間が足をすくわれやすい犯罪が姦淫なのである。勿論、ソロモン王自体も自身の経験があったから息子に諭しているのだと思う。

 こういう人間としてしてはいけない事をしつづける状態にはまっているとき、それを叱責してくれる者の声を大事にしなさい、とソロモンは言っているわけで、

罪とは言えない個人の生き方の理想論を正すような、そんな次元の、しかも他人を、受け入れろ、とは言っていないのである。

 

 人間には、自己肯定が必要。

 どちらでもいいような些末な事柄を理想論的に諭す諫める人がずっと近くに居たら、自己を肯定できなくなります。

 自分を蔑むような考え方をしていては、その人の長所が伸びなくなる。

 

「聖書は、禁欲的・克己的に生きることを説いているではないか」と思われる向きもあるだろうが、人間の愉しみも否定してしまうほどの禁欲的な生き方は推奨していないし、「たとえ夫婦であっても荒淫にふけるのは罪ではないか」と思われる人もあるだろうが、荒淫にふけるのがわるいのは、毎日仕事もできなくなるほど性交で疲弊することを「やめておけ」と諭されているのだ。実際に荒淫にふけることで仕事もできなくなった場合、収入が激減し家計を圧迫する。それで結局、盗みなどをはたらくことになる。そういうことにならない為の「荒淫を避けよ」という意味である。

 また、禁欲的・克己的に生きよ、というのも、キリストの直弟子になるつもりの人には必要な要件である。どこまでのレベルの信者を目指すのかによって、生き方は変わってくる。

 

 たとえば、友人が大麻をやっているのを自分にだけ告白してきたとき、きつく叱る、こういうときの行動として、それを言ってくれる友人を大事にしなさいよ、ということなのである。

「何だ、それなら、自分の場合は、友人・知人から襟を正される場面なんてないな」

 と思う人もあるだろうが、人生、最初から終わりまで浮気も含めて悪いことに染まらないで生きられる人は居ないと思う。それは、死ぬまえになると、誰でも思い当たることが一つや二つ出来ているはずです。

 皆さんも、「自分は犯罪など犯さない」と考えられるでしょうが、人間、アクシデントが一気に多数重なると、犯罪者に転落するのは簡単なことです。そういう意味で、強力に注意喚起したのが、ソロモンの箴言なのです。

 こういう聖書の奥意(私の解釈と言われれば、そうかも知れないが)を、もっと知ってください。

コメント

  1. なぜかだんだん内容が高度に。ゆかいな笑えるのは??ところで好きなタイプと家族の話がNGなのですよね。どちらか解禁しませんか?だって哲学的な話ばかりで親近感が・・・お・ね・が・い・ねー

  2. 山雨 乃兎 より:

    >ビター・スイートさん
    ナイスを有り難うございます。(^。^)
    >あかねのママさん
    内容が難解ですか。ついて来てくださいよ。^^
    好きなタイプと家族の話は、またアップしますよ。
    タレントではないので、親近感は湧かないくらいの方がいいのですよ。近寄りがたいぐらいの方が。
    また、お寄りくださいね。(^。^)

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