石蔵文信さんの、『57歳からの意識革命(人生を最後まで充実させるために)』を読みました。
例によって、感想は追記をお待ちください。
追記・感想
定年後にやることは、現役のうちから考えておく
『夫源病』という著作を出されていた著者です。
定年後は、のんびりしよう、と思っていても、やることを現役のうちから考えてないと、
趣味にはすぐに飽き、妻とはぎくしゃくする老後になる。
現役の定年前の57歳から、仕事はスローダウンして定年後の準備をしておこう、とい
うことでした。
それも、定年後も仕事をすることが一番望ましい。人間は仕事をすることで社会と関わ
っているという気分を得られ、自負も持てるから。
定年後も仕事をするのが望ましいが、新しい仕事にすべき
嘱託や再雇用制度に頼るのではなく、その方向に行くのではなく、まったく新しい仕事
をするのがよい。元いた会社というのは、定年間近や定年後の人材は、必要としていない。
結局、元いた会社で邪険に扱われることになる。それよりは、高い地位でなくても、給料
がまえの半分でも、新しい仕事をしたほうがよい。掃除の仕事やスーパーの雑用係でもい
いわけである。
趣味やボランティアでもいい
また、仕事が無理ならボランティアは、どうか、と。
社会に関わることが男の場合は大事。それに心の健康にもいい。
親元か、まったくの未知の所か、の田舎に移り住むのもいい。その場合、近所づきあい
が心の健康にとって大事になってくるので、現役のうちから、将来移り住む土地にちょく
ちょく出かけ、ご近所さんとも挨拶して仲良くなっておこう、と。
趣味をして生きる場合も、自分が楽しむだけの趣味というのはすぐに飽きてしまう。や
はり、人から評価を得るということもある趣味のほうがいい。それで、私もブログで自営
の仕事の宣伝文句に、ブログを始めよう、と書いているが、ブログだと自分から発信が出
来るのである。やはり、インプットだけでなく、アウトプットもある趣味が、生き甲斐に
なってくる。
夫の定年後の夫婦のあり方
『夫源病』の内容と重複するところ。初老の夫婦が一緒に歩く三つのパターン。夫が前
を、妻が前を、並んで、というパターン。それぞれ、夫が、「ワシも族」か「オマエも族」
か、そうでないか。詳しくは本編を。
夫婦は、仲がよくなくてもいい、それより自立した夫婦に。
夫は定年退職後、稼ぎという面で落ちますので、家事や家のことが出来ないので、年金
収入はある妻からすると弱い立場になります。
妻に先に寝込まれた場合、家事の出来ない夫は、介護と家事で心労がピークになって妻
に手をかける心中や殺人が起こってくるのだそうです。
石蔵さんが夫に、身のまわりのことや料理ができるように勧めるのは、夫に家庭内での
主導権を握ってもらうため。
引退後、夫は金を稼いでくることはないので、その経済的優位性は失われます。身のま
わりのことができない夫は妻に依存し、その結果、妻をつけ上がらせることになります。
しかしですよ。もし、夫が自分自身の下着をきびきびと洗濯し、食事もさっさと用意し、
まめに掃除をするようになれば、妻は危機感を抱くはずです。「この人、もしかして私が
いなくても、やっていけるんちゃう?」と。【本文引用】
その上、夫が簡単な仕事でも続けていれば小金がはいってくるので経済的優位性も保て
る。妻が、「捨てられては大変」と優しく接してくれる(はずです)。【本文引用】
明るい色の服を着ましょう。気持ちが若返ります。
引退後の暮らしで大事なこと三つ
引退後の暮らしで大事なのは、①家に閉じこもらないこと、②生活にリズムを持たせる
こと、③近所とのかかわりを大事にすること。【本文引用】働くことによって①と②が自
然に実現できるので、著者は働くことを一番薦めておられます。
サークルにはいっても、現役時代に持っていたプライド捨てて人とつき合うこと。それ
によって、他人と自然に仲良くなれます。
進んで孫の面倒をみよう。孫を介して新たな夫婦関係をつくることができるから。
杓子定規に節制ばかりしない それが健康の秘訣
歳をとるほど、睡眠時間が短くなるのは当然なので、眠れないことを過剰に意識しない
こと。
現在の睡眠障害の定義では、「日常生活に問題がなければ睡眠時間や質にこだわる必要
はない」となっている。【本文引用】
「肥満の予防と改善 8箇条」というポスターに書いてあったこと。節制を求める多く
の項目が、最後の項目の「ストレスをためない」ということと矛盾する。
タバコは無理にやめなくてよい。タバコをやめるストレスが、人体に一番影響があると
も言える。
タバコを吸い、暴飲暴食をしても、ほとんどの人は60歳半ばまで生きることができる
のだから、我慢ばかりの楽しくない生活をする必要はない、と。何のための人生なのか、
と。
手帳の空欄を埋めよう。現役時代には仕事の予定でびっしりだった。引退してすること
がなくなった。でも、私用でいいので、やるべきことを決めて手帳に書いておきましょう、
と。少しのストレスはあったほうがよい。
60歳まで生きた人の、平均余命は83歳である。平均寿命は80歳だが、60までに
死んだ人も計算にはいっているので、平均余命のほうが現実的。
付箋を貼ったところを追ってきたが、この辺で終わりにする。
感想・まとめ
「ピンピンコロリ」という言葉がある。死の直前まで元気に生きて、ぽっくりと急に亡
くなる生き方がベストだ、という意味だが、著者は、それを願うなら、多少羽目を外して
お酒も煙草も好きなように飲んで、人生を楽しんで、生活習慣病の一つでも持っていたほ
うがいい、と言う。健康診断の値に、すべて異常がない状態というのでは、脳梗塞にも心
筋梗塞にも癌にもなりにくい。そうすると、長寿の結果、多くの割合で認知症になってし
まうらしい。長く家族に迷惑をかけることになるし、楽しくない時間を長く過ごさねばな
らない。それよりは、ある程度の歳になれば、いつ死んでもおかしくない、と自覚し、人
生を楽しんで、脳梗塞や心筋梗塞で呆気なく死んだほうがいいのではないか、と仰有って
いた。
他の本で読んだが、死に方に、悪い死に方、よい死に方、というのはない。誰でも最後
は、多少は苦しんで死ぬものだし、人生の最期だけみて、あの人は業が深かったというの
も間違っている。もっと、人生全体をみて、その人を評価すべきだ、と私も思う。
感想として思うのは、定年後のことは定年になってから考えたらいい、と思っている人
が多いが、それでは遅いのだ、ということ。定年後、何をして日々を過ごすか、を現役の
うちから決めておこう、と皆さんに推奨する。定年後になってから、何をしようかと思って
いるうちに、生活リズムが狂い、外出がおっくうになり、新しいことを始めるモチベーション
もなくなってしまうそうである。
人生、一度きり。定年後からでも、本当にやりたかったことに挑戦しよう。その時間は
充分にある。
夫の定年後、家にずっと居る夫が原因で、妻が精神を病んでしまう夫源病についての感
想のリンクは、こちら→ 『夫源病(こんなアタシに誰がした)』読了
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