小説の書き方講座8ーーー自費出版の現状

 新しい動画を更新しました。

 小説家になる方法

・新人賞に投稿して受賞する。
・出版社へ持ち込む。
・「小説家になろう」などのサイトへ掲載し、人気を集めて出版社からのオファーを待つ。
・ブログで発表する。
・自費出版。

 小説家になるのに、自費出版という方法もアリ

 大手出版社の新人賞に投稿する方法がスタンダードだが、簡単には受賞しない。
 下読みの人の作品への好き嫌いもあって、一次選考すら通らないこともしばしばだ。
 もっと早く、デビューの形だけでも作りたい。

 だったら自費出版は、どうだろう。

 自費出版とは、どういうものか

 大きく分けて、自費制作本と商業流通出版がある。

 自費制作本

・ISBNコードがない。
・書店で取り扱えない。(書店に置いてもらうには、個別に委託置きを頼むしかない)
・印税なし。(著者買い取り価格と実売価格の差が収入になる)

 商業流通出版

・ISBNコード付く。
・書店で取り扱える。
・印税あり。
・店から客が注文できる。

*共同・協力出版も、客から、宣伝・制作費・流通費を全額とる。実質自費出版。

 プロが出すのは、著者に費用がかからない商業流通出版。これを世間では、商業出版と言う。

 自費出版からプロになった作家

・文芸社  山田悠介など多数。

・幻冬舎  天野節子 『氷の華』が代表作。 長年ミステリーの新人賞に投稿しつづけていたが、まったく一次選考すら通過しなかった。『氷の華』は、30万部超えのヒット。

 文芸社の特異なシステム

 全国の数百店舗の書店に、自社のシェアスペースを作っている。(このことによって、流通が多数店舗に置くのを拒んだ場合でも、著者の本は確実に数百店舗に並ぶ)

 文芸社が、各店舗に対してテナント料を支払っているので、客である著者が、その一部を費用として支払っているという図式がある。

 流通・取次会社とは

 出版社から本を預かって、書店へ配布する。
 どの店舗へ、どの程度の数量流すのかを決めているのは、出版社の意向と取次会社の判断である。
 大手出版社発行の本だと、取次は、優先的に全国書店に配布する。
 取次会社も営利目的の企業であるから、売れそうにない本は、多数流通させるわけにもいかない。
 全国の多数の店舗に自作を置いてもらうには、新人賞をとって大手出版社から出版するか、自身が有名になることである。

 費用

 30~40万   ネット流通のみ

 100万前後  大型書店数店舗に流通。その後の追加注文については、各書店の判断。

 150~300万 出版社のシェアスペース。出版社によては、流通・取次を通しての他店舗配布もある。

・著者が、「この店舗にも置いてもらいたい」と思ったとき、取次に6~7万払う必要がある。
・広告費用も、自費出版の費用に入っている。

 KDP出版という、新しい形

 動画では、話してない内容だが、無料で出版できるシステムが、近年日本でも導入された。

 何社か、そういうシステムを繰り出しているのだが、有名なのは、kindle・direct・publishing(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)だ。
「何だ? 電子書籍でしょ?」
 電子書籍だけではない。
 近年、紙の本(ペーパーバック)も、個人で出せるようになっている。

 電子・紙媒体、どちらも、著者が一定の制限のなかで自由に販売価格を設定できる。
 しかも、最初に費用は、まったくかからない。
 お客から注文があって初めて印刷し、出荷する。その都度にかかる印刷費用も計算されていて、販売価格の内から差し引きされて、著者には印税も支払われる。
 印税率も、特に電子書籍全世界流通本の場合かなり高い。

 原稿を校正するのが、著者だけという難点はあるが、こういうシステムを逃す手はないだろう。

 自費出版してみては如何でしょう

 新人賞投稿はつづけるとしても、併行して自費出版してみては如何でしょうか。

 皆さんに朗報があります。
 初期コストのまったくかからない自費出版方法もあります。
 KDP(Kindle・direct・publishing)詳細及び出版手順は、こちら↓
                   KDPペーパーバック、出版作業の全容

 最後になるが、これだけは言えます。
 自費出版は、出版後の宣伝が大事。
 大手の商業出版と違って、宣伝するのは自分です。

*小説の書き方講座、トップはこちら→  小説の書き方講座1(前編)

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コメント

  1. sakamono より:

    文芸社というのは、よく聞く名前ですね。そんなふうなシステムで本を
    売っていたとは...なかなか勉強になりました。出版費用や広告費を
    著者と出版社で、どのように折半するか、やっぱりシビアですね^^;。

  2. 山雨 乃兎 より:

    >sakamonoさん
    費用全額出版社持ちという出版をするには、売れる見込みのある人になることですね。
    新人賞受賞経験がなくても、ネームバリューがある場合は、大手も出してくれます。
    自費出版の本の校正の程度、と、自費出版採用の審査状況について、またお話したいと思います。
    sakamonoさんも含めてですが、生業でなかなか書く時間がない場合は、短編の賞とかショートショートコンテストを狙ってみましょう。
    また、お寄りしますね。(^。^)

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