昔の思い出話です。
保険外交をやっている友人と、週末によく飲んでいたのです。
僕が独身で、彼が新婚の時期だったのですが、
彼は、どちらかというと、そんなに酒に強くなく、それでも、男友達と週に一回心おきなく喋るというのは彼にとっても愉しみだったのでしょう。
ところが、あまり酒自体を愉しんでいない彼は、アテの乾き物に興味が湧くのです。
「まあ、これでもツマミながら」
と、僕が差し出すと、柿の種でもポテトチップスでも、バリバリと速く食べてしまいます。
「おれ、そんなに速くスナックを食べる奴しらんわ」
と、こちらが呆れる始末。
ある時などは、柿の種とピーナッツのミックスの袋の中のピーナッツだけを一瞬で食べていました。
僕にも、彼を馬鹿にできない失態があります。
生業で仕事を持ちながら、マルチ商法にも手を染めた僕は、或る先輩に商品を買ってもらって売り手になってもらおうと、電話をしてレストランで会ったのです。
「そうか、山雨(実は、本名を呼ばれていたのですが、とりあえず山雨とします)、商品は買うたるわ、一回限りやけど、その代わり売り手には成るつもりはないからな。……山雨、とりあえず、何か頼もうや。晩飯にはまだ早いし、アテ言うことでな」
と、言われて、
「それじゃあ、トンカツを食べたいです」
と、僕が言って、トンカツを頼んだんです。
僕が、先輩に商売のお願いという形で招いておきながら、結局、先輩に奢られる形になりました。
トンカツが来て、ビールを飲みながらも、僕は、ばくばくと一気に食べてしまったんです。
兄弟が多い家庭で育った僕は、食べ物を見ると一気にぱくつきます。
先輩は、呆れた顔をして、
「おい、山雨、今のは、アテとして頼んだんだからな。もっと、ゆっくり食べな。…………しゃあないなぁ。
山雨な、もう一回、同じものを頼むから、今度はゆっくり食べろよ」
と、言われて、次に来たトンカツはゆっくりと食べました。
僕、酒の充てに、ボリュームのあるものを食べるということが、それまでなかったのです。
トンカツぐらいボリュームのあるものが目の前に来たら、一気に食べる癖が出てしまいました。
若気の至りの失敗でした。
男同士で、ゆっくり飲みたいですね。
では、また。(^。^)
コメント
トンカツなどが出てくれば、食事というイメージを持ってしまいますよね。でも、トンカツをつまみに飲む、というのはなんだか粋な感じがします。最近では飲む時に、そんなふうに「飲み方」も考えてしまいます^^;。
>sakamonoさん
ボリュームのあるオカズを充てにして、酒を飲む人もおられるようです。
晩ご飯を食べないで充てとビールだけ、という人も居ます。
色んな飲み方がありますね。
僕は、このとき、小さいときからの習慣が出てしまいました。(笑)
また、お寄りしますね。(^。^)