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『東京箱庭鉄道』読了(追記あり)

 原 宏一さんの、『東京箱庭鉄道』を読みました。


東京箱庭鉄道 (祥伝社文庫)

東京箱庭鉄道 (祥伝社文庫)

  • 作者: 原 宏一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2011/10/14
  • メディア: 文庫

 例によって、感想は追記で挙げますので、しばらくお待ちください。

 

   追記・感想

 港区鮫島町(鮫島という地名がフィクションなのか実在するのか関西の私には分からないが)で、祖父が遺したアパートを経営する妹尾(せのお)順平。
 或る広告会社を辞めてからアパート経営だけをしていたが、世情に疎くなりすぎる懸念から深夜に交通誘導の警備員の仕事も始める。

 ある日、夜勤明けで吉野家によってビールを飲んでいた妹尾に、見知らぬ老紳士が声をかけてくる。
「テツドーをつくっていただきたいのです」と。

 資金は400億円、期間は3年以内、というそのプロジェクトを妹尾は立ち上げることになるのだが…。

 この作品、凄くエンターテインメントにサスペンスになってる。

 まず、老紳士、日ノ宮が、何故赤の他人の妹尾に鉄道をつくってほしい、そのプランを立てて欲しいと頼んできたのかが最大の謎。
 その謎については、最後の最後で明かされるのだが……。
 そのことから必然、皇族の戦後の悲劇が語られるところは流石です。

 サスペンスとは緊張の糸が張ったままがつづくという意味らしいのですが、その意味では、主人公妹尾と飲み友達のリエが、いつまで経っても、もうこの辺でかな、と思っても結ばれない、読み手にとって気になる緊張状態。
 完璧に仕上げた提案が、あっさりと却下されてしまう、どんでん返し。
 各方面への認可の後押しとして強い身方として仄めかされていた西都急行の会長からの威嚇。社員として雇った警備員仲間の元ラガーマンのミキオと、リエの紹介で入った真面目なひろみとの恋の行方。
 また、終盤には、もっと大きなどんでん返しがあるのですが、それは読んでのお楽しみということで。
 これだけ先が気になる展開が次から次と出てくるとページから目を離せない。

 広告会社の仕事内容に沿って、おそらくこのプロジェクトの運行や業務の様子を想像も交えて書かれているのだと思うが、やはり会社勤めの体験が文章に活かされていると思った。

 鉄道の蘊蓄話も沢山ちりばめられていて、鉄道ファンにとっても面白いのじゃないかと思う。
 実際、リーダーを含めて五人の内、四人までが二十代というような形態のプロジェクトの為の会社で、都内に鉄道をつくるプロジェクトなんて話しは有りそうにないが、主要人物が若いので、企画が失敗したときの落胆や、懸命に仕事にのめり込んでいくガッツが感じ取れる。

 一気に読みました。
 面白いです。

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 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

書評
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