小学校四年生までに、大体、加減乗除や漢字ひらがなの読み書きを覚えます。
詳細に言えば、算数では分数同士の割り算までです。
これが、このレベルの勉強が出来ないままになっていると、社会へ出て就ける仕事が、
ごく限られてしまいます。
西村賢太さんの小説世界のように、きつい肉体労働しかありません。
たとえば仮に、トラックの運転手をするとしても、納品書や領収書や配送票は書かねばなりません。
たとえば店員の仕事に行っても、お釣りの勘定ができない。
今は、それもレジスターや電卓がやってくれますが、例えば、類似する商品をタグなどで見分けることが出来ない。
文字、数字が読めないと。
いくら形や色による選別を行おうとしても、人間の感覚というのは、その場に比較する対象がないと、きちんとした選別はできません。
小学校四年生で十歳です。
色んな本を読んでも、人間の性格は十歳までに決まる、と書かれています。
この時期までに酷いイジメに遭うと、性格が歪んでしまいます。他人のことを妬むようにもなります。
イジメに対しては、どんどん親や教師が介入して阻止すべきだと思います。野口英世の母シカも、清作(英世の本名)へのイジメを阻止すべく小学校へ乗り込み、いじめっこと直談判した、とあります。
私が小学校でいじめられたのは五年生、六年生のときでしたから、それまでは何の屈託もなく育っていますから難を逃れています。そういう意味では幸せなのでしょうね。
小学校四年生までの勉強がマスターできていれば、その後の学年で成績が芳しくなくても、後で自力で学習することができます。
たとえば、「あ」という文字を、「あ」と発音することは、口頭で教えてもらわねばなりません。
大人になってしまってからでは、プライドが出来ますので、それを他人に尋ねることもできません。
そうなってしまうと、やけくその人生になってしまいます。
もし、その段階から挽回したいならば、誰か時間もあって忍耐もある人に、少しずつ、プライドを棄てて教えてもらうしかありません。または、小学生と一緒の教室で勉強するかです。
そんな人居るのかな、と思っていましたが、大きな社会のなかには、そういう人も居るようです。
それぞれの人に事情はあるのでしょうが、社会人になってからは自助努力するしか道はありません。
西村賢太氏の場合は、学歴不足というハンデでしたが、読み書き、加減乗除ができない、という事は、それよりも致命的です。学歴は分類分けですが、学力は、物事ができるかどうかの内実です。
コメント
>xml_xslさん
ナイスを有り難うございます。(^。^)