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村田沙耶香『コンビニ人間』読了(追記あり)

村田沙耶香さんの、『コンビニ人間』を読みました。


コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

  • 作者: 村田 沙耶香
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: Kindle版
 例によって、感想は追記をお待ちください。
   追記・感想
 テーマとして、マジョリティーに逆らわずに生きるべきか、と、ひと歳を占めたら結婚
するか就職しなくてはいけないのか、というのがあるようです。
 世間の意見の代弁として、登場人物の「白羽」が言う科白があります。それがテーマそ
のものなんですが、白羽は、「縄文時代から社会の構造は変わっていない」と言う。
 縄文時代と出していますが、歴史上では最古の人類出現してすぐの時代ですから、人類
が出現して以来、社会構造は変わっていない、ということになります。
 主人公の「古倉」は、三十代半ばで独身でコンビニでアルバイトする女性。
 その古倉に、問題意識を抱かせるのが、男なのに社会的に中途半端な同世代の白羽。
 白羽が主人公の勤めるコンビニにアルバイトではいってきて、問題を起こしてコンビニ
を辞めさせられたあとにも主人公古倉は、白羽と関わることになる。
 白羽によって主人公の心の軸がかき回される。
 登場人物によって主人公が大きく影響を受けるから、小説として面白い。
 また、主人公自身も、白羽に会うまえから普通ではない。
 読んでいて、白羽に腹が立ってきたり、白羽が知りあいに似ている、と想像を膨らませ
て共感したりする。
 そして、一番思うことは、テーマが問うている常識が普通なのか、もう、そんな常識は
なくなってしまっているのではないか、と思わされるところだ。
 時代が変化してきたので、もう、このテーマそのものが成り立たなくなる日も近いと思
う。
 一生独身で、自分の生活費をたとえアルバイトでも稼いでいたら、誰からも文句を言わ
れない社会になりつつある、と思った。
 本編が、主人公が、著者の投影であるとしたら、自身の生き方に対する疑問が、まずあ
ったのではないだろうか。

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コメント

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