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ラブジョイ・九鬼さんの、小説『蛇と龍』を読みました。
私が、DTPレイアウトを手がけた作品です。
或る女性の半生が、小説として描かれています。
新興宗教の強引な勧誘に遭ったり、やっと結婚した旦那に暴力を振るわれたり、人生って何でもっとスムーズに行かないのだろう、と思いますね。
旅館の裏方の仕事や、化粧品の売り子、介護職など、この主人公、何でも出来る人です。
夫のDVから逃げるために部屋を借りた主人公。親身になって相談に乗ってくれる男性が出来ますが、そのことが却って離婚を進めるには不利になります。
前半の、新興宗教の勧誘の出来事で会った男性や、後半で離婚の相談に乗ってくれる男性、また、実の母親などの心の描写が、独白ではなく言動で表されていて一人称視点に近い主人公以外の内心は描かないけれど言動で表すという表現が出来ていて、物語に惹き込まれました。
タイトルが、なぜ、『蛇と龍』なのかについては、後半で語られます。
昭和・平成・令和と時代が変化してきた全容を考察する主人公の社会認識や哲学にも、目を見張るものがありました。
是非、ご一読ください。


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