脚本・監督：三谷幸喜さん 主演：竹内結子さんの、映画『大空港２０１３』を観ました。
例によって感想は、追記をお待ちください。
追記・感想
冒頭から中盤までは、バタバタしてるな、と思った。
感情的な科白、次から次へ起こる家族の問題。演劇を観ている感覚だな、と。もっとゆったりした展開の方がいいな、と思って一旦、視聴をストップした。
喜劇ですね。コメディーですね。三谷作品は、こういうテーストと言えば、そうかもしれない。
ストーリーとしては、佐賀で親族の葬儀を終え、飛行機で東京へ戻る家族が、羽田空港の天候不良が原因で、途中の空港で降ろされて天候回復まで待たされる。その待たされた数時間に起こる出来事を描いた作品です。
オダギリジョー演じる、空港に出没する詐欺師の騙し方が、「ああ、なるほど、こういう風に言動するのか」と感心させられました。（泣き落とす。融資してくれないともう時間が無い、と相手を急かす、など）
登場人物が、この時代の一通りのパーソナリティーを含んでいる。
お父さん（田野倉守男（香川照之））は、堅い仕事の大黒柱。よくありがちな、若い娘と不倫をしている。
お父さんの妻の兄、つまり義兄（鶴橋倉之助（生瀬勝久）は、身を固めず、何度も転職した末に大きな事業をやろうとしている。
アテンド役の空港職員（大河内千草（竹内結子）は、上司からプロポーズを受けたばかりでどうするか悩んでいる。そして、この家族（田野倉一家）の事情を知っていくが、相手のためを思うと、守秘義務を完全には果たさない。
田野倉家の長女（田野倉真弓（石橋杏奈）は、年の離れた恋人を家族に紹介しようとする。その相手（犬山（梶原））は、一見冴えない男だが、IT企業を経営していて金持ち。
田野倉家の長男は、W大に通っていたが、役者を目指すため退学して、オーディションを受けようとしている。
家族が家族に隠していた秘密を、行きがかり、もしくは自発的に、この離陸までの待ち時間に打ち明ける、という話です。
途中までと見方が変わって行きました。登場人物に対する見方が。
まず、長女の恋人犬山のことを、充分に稼げてなくて仕事も安定してない、ただのオッサンと思ってましたが、実は、アフィリエイトで稼いでいることが分かりました。しかも、もの凄く儲けているようです。
会社勤めや工場勤めだけが、マトモだと思われる風潮は、もう過去のことですね。
身なりはだらしないが、きちんと在宅で利益を出している。こういう生き方をしたいな、と思いました。
お父さんの妻（美代子）の兄（鶴橋（生瀬勝久））に関しては、この人、山師の話に騙されてるな、と最初は思ったけど、後半になれば、きちんとした話なのかもしれないし、何よりビッグビジネスをやろうとする野心があって、好い人だな、と思えました。この人のように、何かを始めるとき親戚や友人から金を借りるというのは、悪いことではありません。
倉之助と美代子の父（鶴橋清正（綾田俊樹）が、離陸までの待ち時間が延長になったので、とんでもない打ち明け話を家族を集めてするのですが、詳細は本編で。
それぞれの家族が明かす秘密は、強烈ですが、世間によくある話です。
設定が上手いな、と思います。現地空港天候回復を待つ離陸までの空港での数時間。これぐらいの設定でないと、家族全員がそれぞれの事情を話す、ということもないでしょう。
田野倉家のストーリーと空港職員同士のストーリーが二重に併走する。構成の重要な要素ですね。
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