五木寛之さん原作、西村潔さん監督の、映画『ヘアピン・サーカス』を観ました。
例によって感想は、追記をお待ちください。
追記・感想
今から観ると、完全に昭和の映画。
でも、僕からすると、非常に堪能できた。
主人公の教習所教官が格好いい。ダンディー。
硬派。ハードボイルドです。
最初は、気の弱いサラリーマン的な人かな、と思っていたら、主人公にはレーサーだった過去があって、内部の精神も硬派なのでした。そして、取り返しのつかない悲劇の過去を背負っている。
主演女優が、そうそう、あの時代居たわ、と思える、ちょっとグレてる女性。
僕は、過去に原作を読んでいたんです。
映画になってる本編も、原作とストーリーはほぼ同じですね。
トヨタ2000GTといったら、あの当時みんなの憧れの車です。それが、最終的には、あんなことに。
女性主人公のやっていたことは悪いけど、あそこまで追い詰めなくてもよかったのでは、と思いました。だけど、教官がかつての教え子である女性主人公をだんだん追い詰めるところは、見ていて痛快でした。途中まではね。
電子制御もない旧車で、もちろんパワーステアリングですらないんですよ。それなのに、あの運転技術。
昔の車のほうが、運転していて、「おれが、この車を操っている」という気分になれたなー、と自身の経験も思いだしました。(リアを滑らせたりは出来ないけどねw)
「廃墟で会合」「大麻摂取」「艶っぽい女性。そのファッション」
観ていて思ったのは、出てくる男性たちの言動が格好いい。もっと言うとキザ。自分は、格好いいと認識して酔っている感があります。
男性も女性も、他人に寄りかからない。寡黙。多くを語らない。
昭和世代の僕には、あの頃が良かったなぁ~と思える映画でした。
さらに追記
テーマ、本編中の音楽がいい。
ジャズやフュージョンが起用されている。
詳しくは知らないが、本編中に出てくるのは、チック・コリアを思わせる音楽。チック・コリアの音源そのものかどうかは知らないが、当時の日本の演奏家やグループにも抜群のテクニックのオリジナル奏者も居たことだし、そういう音源を監督は起用していた。
当時、ゆっくりとしたジャズやブルースも、前衛のジャズフュージョンも同時に流行していた時代だったと思う。
その前衛のフュージョンが、カーチェイスに見事に合っていた。
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