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万年筆 洗浄 やり方

 僕の場合、今まで一度も万年筆を洗浄したことがありません。
 染料インクをつかっていますし、毎日原稿を書いているので、万年筆内部でインクが固まることがないからです。
 しかし、後学のために、今回初めて、万年筆を洗浄してみました。

 万年筆洗浄は、どれくらいの頻度でやればいいのか

 僕の場合、中学卒業のときに子供会から記念にもらったプラチナ14金ショート軸を皮切りに、28歳のときに将来の作家を夢みて買ったpilotの14金中字スタンダード軸、その後数本、買っては売ってと繰り返していますが、同時期に3本くらいしか持ってませんでした。
 そして、メインのpilot14金中字は、染料インクをつかっていたことも理由ですが、二十年前からほとんど毎日、執筆につかっていましたので、インクが内部で固まることもなく、洗浄せずに使いつづけられたのだと思います。
 ですが、僕のようなケースは稀でしょう。

 理想の洗浄頻度

・3ヶ月に一度(理由は、インクが固まってしまうことがあるから。とくに、たまにしか使わない人や顔料インクを使う人は洗うべきです)

 臨時的に洗う必要があるとき

・しばらく使う予定のないときは、インクを抜いてから洗浄して保管する。

・長期間使用しなかったためインクが乾いてしまったときや、インクの色を変えるとき、インクフローが悪くなったときやインクが出なくなったときにも洗浄が必要です。

 実際に洗浄してみました

 首軸の洗浄

   首軸だけを水に浸けている

 コンバーターの洗浄のあと、コンバーターを外して首軸を水に浸けました。
 本来は、先にコンバーターを外して、首軸を先に洗浄します。

コンバーターで水を出し入れしてコンバーター内部とインクの通り道を洗浄

 ペン先を完全に水に浸ける。

 (今回・回転式)コンバーターの上部をまわして水を出し入れする。

 何度かコップの水を新しくして、水が透明になるまでコンバーターで水を出し入れしましょう。

 タイプ別 万年筆洗浄のやり方

 用意する物

・背の低い広口で透明のコップ

・(汚れてもよい)柔らかい布

・常温の水(または、ぬるま湯)(*熱湯は禁物)

 吸入式

・コップのなかに水を入れる。(洗剤・薬品・熱湯は絶対につかわないこと)

・水のなかにペン先全体を入れ、万年筆の尻軸をまわす。
 何回か尻軸を逆回転させ、水を吸い込ませたり吐き出したりする。
 コップの水も何度か変えて、水が透明になれば洗浄完了。

・用意した柔らかい布で水気をふきとる。
 内部に水が残っているので、一日程度おいて自然蒸発させる。

 カートリッジ・コンバーター式

・ペン先と首軸の部分を、胴軸から外す。

・カートリッジまたはコンバーターを抜く。

・水を入れたコップを用意する。

・コップの水のなかに首軸を入れ、一晩置く。(このとき、コンバーター式の場合は、コンバーター内のインクをいったん出し切ってから、同じコップ内の水にコンバーターを浸けておきましょう)

・翌朝、首軸からペン先に向けて流れるように、水道水を何度か首軸から通します。インクの色が水に混じらなくなったら完了。
 コンバーター式の場合は、首軸にコンバーターを取り付けて、コップに入れた水を出し入れし、水が透明になれば完了。

 洗浄液を使う必要があるかどうか

 万年筆の洗浄には通常、ぬるま湯だけで十分ですが、特定の状況や使用頻度に応じて洗浄液を使うことも検討できます。以下に、洗浄液を使用する場合とその必要性について説明します。

洗浄液を使う必要がある場合

  1. インクが固まってしまった場合
    長期間使用していない万年筆や、特に乾燥しやすいインクを使用している場合、インクが固まってしまうことがあります。これを取り除くために、洗浄液を使うことが有効です。
  2. ぬるま湯では完全にインクが落ちない場合
    染料系のインクや特定の顔料系インクは、水だけでは完全に落ちないことがあります。このような場合には、洗浄液を使うことでより効果的にインクを除去できます。
  3. 定期的なメンテナンス
    頻繁に異なる種類のインクを使う場合や、万年筆を頻繁に使用する場合は、定期的に洗浄液を使うことでペンの内部を清潔に保つことができます。

洗浄液の使い方

  1. 洗浄液を薄める
    市販の万年筆用洗浄液を使う場合は、製品の指示に従って適切な割合で水に薄めます。
  2. 洗浄液に浸す
    ペン先とペン芯(フィード)を洗浄液に浸し、軽く振り洗いします。インクの残りが完全に除去されるまで数回繰り返します。
  3. ぬるま湯で仕上げる
    洗浄液を使った後は、ぬるま湯でしっかりとすすぎ、洗浄液の残留物を完全に取り除きます。

洗浄液の注意点

  • メーカーの指示に従う
    使用する洗浄液は、必ず万年筆用のものであり、メーカーの指示に従って使用してください。
  • 頻繁な使用は避ける
    洗浄液の過度な使用は、万年筆の部品にダメージを与える可能性があるため、必要な場合にのみ使用し、通常の洗浄にはぬるま湯を使うことをお勧めします。

 以上のポイントを踏まえて、万年筆の洗浄には基本的にぬるま湯を使い、特別な場合や必要な状況に応じて洗浄液を使うと良いでしょう。

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                     万年筆 おすすめ品紹介(用途・思い入れによる)

*万年筆についての考察記事は、こちらから↓
              記事カテゴリー「万年筆」

コメント

  1. sakamono より:

    なるほど。私はカートリッジ式なので、それほど手間がかかるわけではなさそうですね。洗浄したことは一度もありません。そもそも、万年筆を洗浄するなんて思ってもみなかった^^;。しばらく使っていなかった万年筆ですが、再び使いだしてからは、頻繁に書いているのでインクが固まることはなさそうです。青くなった水の色がキレイですね。

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