PR

『草葉の陰で見つけたもの』読了

 第一回小説宝石新人賞受賞作、大田十折(おおた とおる)さんの、『草葉の陰で見つけたもの』を読みました。

草葉の陰で見つけたもの

草葉の陰で見つけたもの

  • 作者: 大田十折
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/06/20
  • メディア: 単行本

 

 僕もこの賞に応募していて、『ホテル・琵琶湖イースト』だったんですが、自信作だったんですが、大田さんの作品には負けました。

 何よりも、設定のアイデアが特異なんですね。それに、後半の主人公の行動などの描写と同時に心の中を描写していく場面では、グラッと眩暈を起こしかけます。スピード感もあるし、読者の方が、後半に来ると速く読みたくなってしまう、不思議な感覚にさせます。速く読むのだけど、内容は刻銘に頭に入ってくる。

 『ホテル・琵琶湖イースト』も、後半、スピード感は有るんですが、主人公の心の内面を刻銘に、否、せっぱ詰まる感覚というのが弱いと言えます。

 この作品応募時に二十歳とは、凄い才能です。

 内容(特にあらすじ)に関しては、書くのを控えます。全く知らないで読まれた方が楽しいでしょうから。

 『小説宝石六月号』で、本編をお読みください。 

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

書評
山雨 乃兎をフォローする

コメント

PVアクセスランキング にほんブログ村 新(朝日を忘れた小説家)山雨乃兎のブログ - にほんブログ村