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随想『コオロギ』

 コオロギとは知らずに、殺虫剤を噴霧してしまった。

 すまん事をした。

 そのコオロギが、目に見えるところで苦しんでいる。

 つまんで外に出してやるべきだが、つままれるだけでも今のコオロギにとってはダメージが大きいだろうと思うと、それもできない。

 ずっと、視界の端で痙攣している。

 本当に済まなかった。

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

自作原稿抜粋
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