『ずるい人に騙された時どう生きるか』読了

加藤諦三(かとう たいぞう)さんの『ずるい人に騙された時どう生きるか』を読みました。


ずるい人に騙された時どう生きるか 怒りと悔しさの心理

ずるい人に騙された時どう生きるか 怒りと悔しさの心理

  • 作者: 加藤諦三
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2011/05/06
  • メディア: Kindle版

世の中には、搾取タイプ(人から金銭や所有物を、人を騙して奪い取ろうする人)と、騙される人が必ず居るという事でした。

良識を敢えて並べ立てる人は、信用してはならない。

何故なら、感情的恐喝の為に、わざと良識を持ち出しているからである。

良識を持ち出して話しが出来るのは、世の中が全て、普通の人ばかりだった場合のみである、と。

泥棒も搾取タイプの人も混在する世の中なのに、良識を前提にして、会話をしてはならない、と書かれている。

騙す人も騙される人も、愛情を不完全にしか得られなく育ってきた人に多いらしい。

自我が確立していない。心の中が空洞で、自分の自負と自信がないから、淋しくて誰でもいいから自分と関わってほしいと思うらしい。

実際は、騙される人は日々努力している人なので自信を持つべきらしい。

逆に、騙す人は、本当に自分の内には何もない。ただ相手から搾取してそれを屠る(ほふる)だけである。

興味深かったのは、「怒る人の方が、まだ純粋な人である」という説だ。

搾取タイプの人は、金を獲ることが目的なので、目的を達成するまでは決して怒らない。ニコニコしている。関係がこじれて、本来なら怒るような場面になったら、怒らずに泣く、というのである。

自分の方が被害者のような演技をする。

罠にかかって、大きな被害にあった人は、最終的には相手に対しての怒りから犯罪を犯してしまったりする。

罠にかけた方は、それまでの戦略で証拠を極力つくっていないので、裁判でも言い逃れして、犯罪を犯してしまった方だけが悪者になってしまう。

この本は、特に読むべき本だと思う。

騙されない為には、どう行動すればよいか。騙されている時の本人の心理。その両方が刻銘に書かれていた。

書評には字数が少なすぎるが、私には上手く纏めることができないので、是非、本編をお読みください。

・加藤諦三の他の本の感想→  『だれにでも「いい顔」をしてしまう人』

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コメント

  1. おみ より:

    これまた、興味深い題名ですね〜。
    社会学的に分析しているもの、なんでしょうか。
    冷静に考える事が出来るのは、
    もう既に勝っている立場のヒトだということですよね。
    う〜ん、どう考えてみても、
    大抵騙される側に立っている私は、読んでみるべきですね・・・。
    面白そうですね。
    (ってぐさぐさ来そうな、気がしていますけども!)
    遺伝子学的に分析している、と云えるのが、
    リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』かと。
    遺伝子レベルで、『他を騙して、オノレを利する』ってすごい、
    呆れるを通り越して、感心してしまいました。
    こちらもなかなか面白いですよ〜。

  2. 山雨 乃兎 より:

    >おみさん
    人間関係とか心理学的に分析されているようでした。
    結局、騙している人の言葉は、上手く創られた詭弁なんですよね。読んでいて、そう感じました。
    搾取タイプの人は、人を物としか思わないそうです。そういう内面がバレないように詭弁を弄するんですね。
    リチャード・ドーキンスさんの本、戦略的人生指南術みたいで、なかなか興味深そうですね。敢えて、そういう風に生きていくことも出来る訳ですね。人間には自由意志が許されている、という大原則があるわけだから、とも言えますね。
    また、お寄りしますね。(^。^)

  3. sakamono より:

    この書評を読んで、この本読んでみたいなぁ、と興味を持ちました。
    ちょっと書店で探してみます^^。

  4. 山雨 乃兎 より:

    >sakamonoさん
    目から鱗が落ちる、という感じで、この本を読んで、搾取タイプの人の精神構造が分かりました。
    それぞれの項目に、引用というべき元の本があるので、そちらを読まれるのもよいかと思います。
    純粋な人が翻弄される訳が分かります。
    また、お寄りしますね。(^。^)

  5. 『だれにでも「いい顔」をしてしまう人』読了(追記あり)

     加藤諦三さんの、『だれにでも「いい顔」をしてしまう人』を読みました。 だれにでも「いい顔」をしてしまう人 嫌われたくない症候群 (PHP新書)作者: 加藤 諦三出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/04/17メディア: 新書 感想は、追記をお待ちください。    追記・感想  幼少期に虐待に遭ったか、ぴりぴりした親子関係であったか、親(特に母親)から充分な愛情を受けずに過ごしたかによって、他人から嫌われることを極端に怖れる人間になってしまうという論旨だった。親から拒絶されると、自分に原因があるように子供は受けとってしまう。その結果、好かれようと腐心する。  先人の心理学者の研究成果などを示して論を展開される。 先日読んだ『ずるい人に騙されたとき~』というタイトルの本と内容はほぼ同じである。  幼少期に愛情を充分に受けて育った人は、人を選ぶ。誰からも好かれないと怖い、という感覚はない。倫理的なことの諭しは勿論受けるのだが、のびのびとした心境で育っているので、自分のありのままを出すことを怖れなくなる。  子供の内は、親から拒絶されることは大きな打撃である。しかも親から拒絶されると生きていくのにさえ困る。子供の時期は。 だが、大人になって自立してしまえば、親の機嫌をとる事はないし、他人の機嫌をとることもないのである。 それが、幼少期に虐待を受けたような人だと、嫌われること自体が大人になっても怖いのである。 その結果、搾取タイプの人間に、いいように使われる羽目になる。 搾取タイプの人間は、「友達だろう?」と、無理な要求をしてくる。その人が断れない人であることを分かっているからだ。  一人の人間と人間関係を切っても、実は困ることは何もない。困ると思い込んでいるだけなのである。 断れない性格で人とつき合っていると、どんどん搾取タイプの人間が寄ってくるので、誠実な人が貴方に近づきにくくなる。 つまり、困った人間関係は切った方が、誠実な人との良い人間関係が新たに出来る、という事である。  決裂にはエネルギーが要る。 現代人はエネルギーを持っていない人が多いらしい。  ケンカというのは、人に因縁をふっかける為にだけするものと思い込んでいる人が居るが、必要なケンカは、相手との人間関係をしっかりと深める為にするものである。 お互いに主張があって、お互いに自分が正しいと思い込んでいるときにストレスを感じかけたらケンカすれ…

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