鈴木輝一郎さんの、『時代小説が書きたい!』を読みました。
感想は、少し遅れます。追記をお待ちください。
追記・感想
著者・鈴木輝一郎氏の場合の、創作の仕方が全行程紹介されています。
現実にあったことをフィクション化するのに、時代小説の方がやりやすい。と仰有
っていました。モデルを江戸時代などにコンバート(置き換える(という意味のよう
です))すれば、痴話話を書いても、元あった現実のお話とは推察不可能になる。
そういう意味で書きやすいジャンルとも言えるようです。(私には、まだまだ敷居
が高いですが)
面白い処で、「パソコンが万能ではない」というお話。
パソコンに収録されている文字は、(この本の刊行当時(現代でも変わってないと
思われるのですが))JISの第二水準までしかない、という事です。
歴史小説や時代小説では、画数の多い漢字の名前など、一杯出てきます。固有名詞
なのですから、漢字を画数の少ない同意文字に変えるというのは可笑しい訳ですね。
それが、出ない場合がある。変換できないだけでなしに、文字パレットで呼び出して
も、そもそもはいっていない文字があるという事なのです。
例えば、簡単な例でいくと、私もよく使うのですが、躯(からだ)という文字です
ね。私は、本当は、もう一つ画数の多い字を使いたい訳ですね。「身」の右のつくり
が、「區」な訳ですね。そういう時、著者の鈴木輝一郎さんは、仕方なく横向きに、
「身」と「區」を並べて打ち出して、すぐ後に()で囲って(からだ)と書かれたり
するそうです。同様にワープロ原稿に一文字だけ手書きで加えられることもあるそう
です。
それから、時代考証とかリアリティーの為の知識の話題で、初めて知った(私が遅
れているのだろうかな)のは、刀には、ハバキ(パソコンにない漢字です)というの
が鍔元(つばもと)に近い刀身にあるそうなのです。鯉口に刀身が収まっているとき、
ハバキがあるからかっちりと収まっているらしいのです。それで、漫画などの抜刀で
斬るシーンのとき、いきなり刀を抜く場面があったりする場合があるらしいのですが、
実は、このハバキの分だけ刀身を抜いてやらないと片手では刀は抜けないらしいので
す。左手で鞘を握り、左手の親指で鍔を押して、ハバキを鯉口から出してやる必要が
あるそうです。
資料や史料が大事らしいです。
古書(筆で書かれた物)を買い求めるということもされています。それを活字に直
した出版物を翻刻版というらしいですが。
県立図書館クラスの図書館にいけば、その土地の郷土資料はコピーさせてもらうこ
とが出来るようです。(国会図書館の場合は、一日の一人のコピーの量が制限されて
いるので、友人・知人・家族総動員でコピーされることも)
辞書類は必ず必要で、特に、日本史の詳細な辞書が要るようです。(揃えるとかな
り高いです)
歴(こよみ)と時間(時刻)については、この本編でアウトラインを網羅されて紹
介してくださっていました。
全編、鈴木さんの語り調で、肩の力を抜いて読めました。
ご自身も、創作作法については、書きながら習得されたようです。始めから、時代
考証が難しいとは考えずに、これでいいのだろうか、と思った処で史料や辞書で調べ
る、その事の繰り返しのようです。
本の紹介だけになって、殆ど感想にはなりませんでしたが、ご容赦を。
「ええ? 私がですか?」
歴史小説も時代小説も、まだまだ私には敷居が高いです。(苦笑)
コメント
>shinさん
ご無沙汰しています。ナイスを有り難うございます。(^。^)