鈴木輝一郎さんの、『何がなんでも作家になりたい!』を読みました。
商業出版をした者が、このようなタイトルの本を読んでいては駄目なのですが…。
例によって、感想は追記で挙げますので、しばらくお待ちください。
追記・感想
メインは時代小説・歴史小説作家の鈴木輝一郎さん。
小説家への転身は、簡単ではなかったようです。(詳しくは本編を)
小説(本という意味かな)をつくるのは一人でではない。(一人で全部をする訳ではな
い)というお話しや、反対に書いたものの責任は一人でとる。という小説家の宿命のお話
し。
鈴木さんの一日、そして一年の生活がどんなものか、という事も紹介されていました。
面白い処では、「クレジットカードは入れるときに入る」というお話しがありました。
小説家という仕事は、コンスタントな収入の目処が立たないので、収入の少ない時期を
凌ぐ為にはクレジットカードもあった方がよい、という事。しかし、仕事まで辞めてしま
ってからでは定期収入を呈示できないので、当然信販会社の審査は通りません。それで、
会社員の内に入っておいた方がいいよ、という事らしいです。
それから、小説家になろうとする人、と、小説家志望者とは違う、という事。
なりたい、と思った時点で小説家志望者ですが、なろうとする人は、もっと具体的な行
動を起こしている、という意味だと思います。
鈴木さん、ホームーページでメールを受け付けておられて、普通の人の雑感メールより
も、小説家志望者からのメールの方が誤字脱字や文章の間違いや先方に失礼に当たらない
かを考えていない文面が多いそうです。この部分は、きつく言われていました。
それから、最近の傾向として無職になって小説家を目指す人が多いそうです。それは、
近年の社会事情で中高年になってからリストラされるパターンが多いからだと思われるか
ら、と鈴木さんは仰有っていました。
それで、男性の場合は、余程の即戦力になる資格でも持っていない限りは再就職はすぐ
には難しい。だから、家族に頼って小説家を目指す、というパターンもあるらしいのです
が、既婚者で奥さんを働かせて、しかも家の事も全く手伝わない、という人は、新人デビ
ューした人は居ないそうです。鈴木さんの記憶の中では。自分が外へ働きに行っていたと
き、家に帰ってきてどういう対応を受けると気分が悪かったかを思いだして、奥さんの愚
痴を聞いてあげてください、との事。
私の場合は、現在独身ですが、洗濯や掃除はやっています。料理を家族の分も創ること
もあるから、と、少し胸を撫で下ろしたのですが…。
最後の項目は、「絶対確実に新人賞を受賞できる方法」でした。
答えは、「受賞するまで応募しつづけること」。
小説家の業界は、圧倒的に天分や運に左右される要素が大きい。(本文引用)ーーーと
は仰有りながら、「その天分は生まれつきわかっているものとは限りません」と仰有って
います。つまりは、すぐに成れる人と、途中から才能が開花してくる人と、本人は執筆姿
勢を変えていないのに周囲の評価が激変する場合。さらに、渾身の力作よりも開き直って
書いた作品が評価されることもあるそうです。
新人賞はゼロサムゲームなので、もし受賞したら、生き残ってください。と強く仰有っ
ていました。それは、多くの落選者の怨嗟に報いる為だそうです。「おれは、落選したが、
あの人と競り合ったのだ」と胸を張れることだけが、その怨嗟を晴らすことになるそうで
す。
最後の最後は、目指している人への励ましが書かれていました。
新人賞のパーティーでお会いできる日を楽しみにしています。必ず来ます。投げ出さな
ければ。(本文引用)と。
先輩である鈴木輝一郎さんと、直接お話しをしているように感じる文体でした。
最後に、勉強になったのは、鈴木さんだけがそう呼ばれているのかもですが、『サイク
リック投稿法』です。確かに、この方法だと、いつも沢山の賞の結果を待っていることに
なるので、しかも可能性を埋め尽くすことになるので、意味がありますね。どんな方法か
って? それは、本編を読んでくださいね。
では。
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