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『図解 裁判傍聴マニュアル』読了(追記あり)

 鷺島鈴香さんの、『図解 裁判傍聴マニュアル』を読みました。


図解 裁判傍聴マニュアル―裁判の観戦方法からニュースに登場する用語解説まで

図解 裁判傍聴マニュアル―裁判の観戦方法からニュースに登場する用語解説まで

  • 作者: 鷺島 鈴香
  • 出版社/メーカー: 同文書院
  • 発売日: 2020/05/31
  • メディア: 単行本

 例によって、書評は追記で挙げますので、お待ちください。

 

   追記・感想

 

 大分、版が古いですが、傍聴に興味があったので読みました。尤も、最近では、裁判員に選ば

れて裁判の場に出ることさえありますね。

 

 「はじめに」という前書きで、傍聴を体験すると、ニュースが身近なものに感じられるように

なると仰有っています。裁判用語や法律の用語がニュースに出てきても、具体的にどんなことを

言っているのかが分かりやすくなるという点です。

 

 第一章では、ジャーナリスト、法廷画家、弁護士へのインタビューが掲載されています。

 ジャーナリストは、オウム真理教事件の解説などで有名な有田芳生(ありた よしふ)さんですが、

A4のリングノートを使ってメモをとられているそうです。筆記具はボールペン。

 法廷画家の大橋伸一さんのお話しで新鮮だったのは、被告人の表情は、傍聴席からは正確には

見ることが出来ないので、入廷のときなど(若しくは以前から知っている写真)を基に、そして、

答弁の声の調子などから推測を交えて絵にされるという点でした。(間違っていたらごめんなさ

い。詳しくは本編をお読みください)

 

 さて、本編です。

 刑事事件の裁判を見る方が、民事事件の裁判を見るよりもあらましが掴みやすい、ということ

を仰有ってました。

 民事は、大体のケースで和解に持ち込まれる(勿論、当事者たちも、その方を望むケースが多

い )ので、しかも、冒頭陳述や罪状認否などが書面で予めやりとりされているので、しかも、

被告と原告代理人とのやりとり(例えばです)も短いので、見ていてよく内容が分からない上に

スリリングな場面も少ない、という事でした。

 

 中盤では、法定内の様子が、仮定のイラストで描かれていて、その、それぞれの人(役割など

による)の表情もリアルで裁判所に行った気分になりました。

 犯罪の代表的なものの内容(何罪は、どんな事を指すのか)と量刑についても、人物画がリア

ルなイラストで分かりやすく解説されていました。(ただ、版が古いので、現在では量刑が変わ

ってしまった罪もあります)

 後半では、1999年当時までの、その近年に起こった重大事件について解説してあります。

 どういう罪で、裁判では現在(1999年)までに、どのように進展しているかについてです。

 或いは、当時新聞を読んでなかった場合でも、この部分を読めば粗方の事件の概要が掴めると

思います。

 最後の「B級裁判傍聴記〈実録〉」では、著者自身が傍聴された裁判について書かれています。

 情状酌量のために、弁護人が一見本件とは関係ないと思われるような質問を証人にする。たと

えば、夫婦の営みについてなど。夫(被告)が普通ではないことを答えとして提示しようとして

いる。といったケース。弁護士の遅刻で審理の順番が入れ替わってごたごたする。法廷の雰囲気

が緩む。等といった変わったケース。その他が記されていた。

 厳粛な裁判だったとしても、やはり人間同士が集まっていることには変わりないなぁ、と少し

思いました。

 

 裁判の傍聴というのは、誰でも出来るらしい。

 有名事件の裁判になると籤で選ばれて傍聴券を得ないと見られないそうだが。

 傍聴では、写真撮影や録音は禁止。だから有田さんもメモをとられる訳です。

 法廷に入る直前に身体検査を受けるそうですが、男性はカバンの持ち込みは禁止されてるのに

女性には許されているそうです。ハンドバッグを持つのは不自然じゃないし、女性はいろいろ持

ち物が必要なのは当たり前、という事なのでしょうか。そのカバンの中身のチェックも勿論され

る訳ですが、シャイな職員だと奥の奥までは調べないこともあるとか。ウォークマンぐらいだっ

たら隠して持ち込めそう、と仰有っていましたが、私も決してお勧めしている訳ではありません

よ。

 

 本編を読んで分かったことですが、公判というのは、一回一回は、そんなに長い時間でないこ

とが普通のようです。向学の為に、将来傍聴に行こうかな。でも、かなり緊迫したスペースであ

る場合もあるし…。と、少し考えました。

 それでも、裁判員として裁判に参加するよりは肩の荷が楽かな。

 感想の部分が今回も少なくて済みません。

 この本、分かりやすいです。

 裁判というものの導入には丁度いいのではないでしょうか。

 では、また。

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