母校の話

 高校生活途中で、転校したのです。

 授業中の事故での怪我の問題があって一年留年。

 二度目は、進級の補習試験に不合格で留年となって、

スライド式に編入を受け入れてくれる学校に行きました。

 それが、兵庫県立西脇北高等学校だったのです。

 

 昼間部という職工がかよう部門でした。

 機織り工場で働いている若い人が、二交代の仕事のスケジュールを縫って登校する、という部門です。

 形だけ就業している証明書だけ学校に提出して、始めは職に就かずに通いました。

 就業形態は、別に、織物工場でなくてもいいのです。

 その時代に、喫茶店のウエイターをやったり、ミシンのセールスをしたりしています。詳しくは、おおよそのところは、私小説『二人だけのテニスコート』を読んでいただくと分かると思いますが。

 勿論、夜間部もあります。こちらは、変則シフトではなく日中の仕事をしている人ですね。

 定時制の高校なので、偏差値はかなり下です。

 でも、家庭の事情で働かなくてはならない人も交ざっていますし、有名大学を目指す人も交ざっていました。

 よく聞く話だと思うのですが、偏差値の低い高校に通って、在学中、ずっと好成績で学年トップを維持したら、国立大学の推薦を受ける資格を得られるのですね。

 そういう狙った系の人も、おそらく居たのだと思います。

 

 学校に通いかけて、まず喫驚したのは、バイク通学アリなのですね。

 記憶が曖昧ですが、昼間部は原付まで。夜間部はもちろん、車も大型バイクもアリですね。

 但し、通学が遠くてバイクでないと困難、という明確な理由か、もしくは、仕事(通勤も含む)で必要、という条件がありました。

 友人たちは、僕の目の前で、バリバリ言わせていましたね。

 

 と、ここまでの話は、前振りです。

 この学校で記憶に残ったことを書きたいと思います。

 

 授業です。

 英語、数学は、中学のおさらいのような授業でした。

 地理の授業だったと思うのですが、

生徒が集中して聞いてないな、と思った担当教師は、

授業開始わずか五分で、脱線。

 石原慎太郎や石原裕次郎が、何故、カリスマ(民衆に魅力的)なのか、に、ついて、

唐突に語り出します。

 それから、美空ひばり論ですね。

 しかも、「ひばり」とだけ言って話を始めるから、最初は僕は、鳥のヒバリのことかと思いました。

「化け物が棲んでいた、いうことやな」

 と、美空ひばりの歌唱力の要因として、生き霊が憑依していたから、と締めくくります。

 それから、唐突に、

「聖子」

 と、黒板に書いて、話が始まります。

「これやな」などと言って、「セイコ」とは言わないで、どんどん話を進めるので、

聖徳太子のことか、と思って聞いていました。

 松田聖子のことでした。

 いわゆる、松田聖子論ですね。

 結論は、

「多くの人に見られることによって、余計、美形になっていく」

 ということでした。

 これだけの話で、一時限を全部使い切りました。

 今になって思えば、

「先生、話、上手いね」

 と思いますね。

 もう、五十分も、有名人についての考察だけで保たせるのだから、講演ができますよ。

 

 それから、極めつけの思い出は、

国語の授業。

 たしか、漢文とか古文とか現代国語には分かれてなくて、総括して「国語」だったと思いますが。
  (【加筆】よく思いだしてみると、現代国語と古典、には、分かれていました。古典が、古文と
  漢文に分かれていたかは、思いだせません)

 僕は、小・中・高校(編入前の)、全部、現代国語だけは、9か10でトップだったのです。

 だから、

どうせ、中学のおさらいのような授業だろう、と高を括っていました。

 

 ら、

 殆どの「国語」の授業は、「漢字のテスト」でした。

 

 それがね、

高校生では、読めないレベルの漢字ばかりです。

 プリントです。

 教師の監視つきの自習のような感じですが、

一応テストですから、辞典に頼ってはいけない、と。

「邂逅」

 とか、

「曖昧」

 とかの熟語に、読み仮名をふる。

 或いは、書くわけです。

 もっと難しい漢字もありました。

 恐らく、今、振り返っても、

大人で、新聞が難なく読める人でも書けないような漢字を書かされます。

「もーう」

 ですね。

 当然、赤ペンでペケが入って返される。

 悔しいーーーー。

 及第点にも行かなかったと思います。

 帰って、その漢字を覚えますが、次の授業では、また目新しい、難解な漢字が頻出です。

 どうせ大人になっても、これだけ難しい漢字を使う場面はないのに。と思ってました。

 

 ところが、今は、アマチュアながら小説家ですね。

 先生は、そんな未来まで見抜いていたのでしょうか。

 

 卒業が決まって、就職も決めました。

 就職は、かなり早く決まったので、オマケの高校生活、という感じで、

後の授業には、気楽に出ていました。

 当然、気が抜けてるので、遅刻するわけです。

 申し訳なさそうに、職員室に行って遅刻届を出そうとして、

鞄は、先に、たしか教室に持っていってましたので、

筆記具もなく、教頭先生(前年の担任)のまえのペン立てのボールペンを

とろうとしたら、

「こら! それは、何や!」

 と、きつく叱られてしまいました。

「人の頭のまえを通るんやから、『ちょっと、前を失礼します』ぐらい言えんのか!
 お前、営業に行く(就職先)ねやろ!」

 と叱られて、凹みましたが、

今考えてみると、当然ですね。

 小・中・高校と、先生方は、父性的な役割ももって、人生訓、礼儀、などを教えられたと思います。

 実の父も倫理・道徳にはうるさかったです。

 実の父は、子供に対して、それぞれに的確なアドバイスをとくにしていました。

 僕に対しては、とくに、「考えすぎるな、イロ(女色)のことでも考えとけ」「朱に交われば赤くなる」の二つですね。

 哲学的考え事をする傾向にありましたし、正義感はつよいけれども気が優しいので、
悪い仲間に引っぱられやすい、ということを見抜いていましたね。

 脱線しましたが、今夜はこの辺で。


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