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格好をつけようとする僕。わざわざ格好をつけるためだけに喫茶店に行く、中年男の心理。

ラフに語る、つれづれ記

 二年前くらいに発掘した、もの凄い美人のウエイトレスがいる喫茶店があるんです。
 そのウエイトレスは、お店に行ったら、毎回ちゃんとこちらの目を見て対応してくれます。

 そこで、男なら思いませんか。
 美人のウエイトレスを落として、自分の彼女にしたい、と。

 でもね、まず、状況を俯瞰して考えてみたんですよ。
 たしかに美人だけど、そんなに若くないのかもしれない、と。
 若くないならば、その女性が既婚であることもあるのですよね。

 既婚の女性に個人的にアプローチしていたら、ご主人が出てこられて、「お客さん、そういうことは困ります」になってしまいますよね。

 今のところ、相手が既婚か未婚かはわかりません。
 ですが、積極的なアプローチはしないことに決めたのです。

 ですが、相手から、好意は持たれたいですよね。

 そこで僕が実際にやっていることは、なるべくフォーマルとカジュアルの中間ぐらいの服装で来店する。
 必要な会話以外はしない。

 煙草を喫うので、喫煙席にすわる。
 ショルダーバッグにノート型パソコン『レッツノート』をしのばせておいて、注文後レッツノートをおもむろに鞄から出す。

「ここ、Wi-Fiありますか」

 などと、そこに書いてあるだろう、と言う突っ込みが予測できることを他のウェイトレスに聞いてWi-Fiを接続する。
 観るのは、YouTubeだけ。
 だけど、モニターの角度を調節し、他人からは見えない状態にした上で、いかにも仕事をしている風をよそおう。

 そして、注文したアイスコーヒーが来たら、パソコンを閉じて仕舞い、おもむろに銀のガスライターで煙草に火をつける。

 ここで訊かれたい。

「お仕事ですか?」

 と言う分かりきった質問に。

 そのとき、きっとこう返すだろう。

「ええ、フリーなんで」

「格好エエ~~~」(相棒X)

 おれは演じたい。理想の自分を。

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

ラフに語る、つれづれ記
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