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保坂和志著、『草の上の朝食』読了(追記あり)

 保坂和志さんの小説、『草の上の朝食』を読みました。
 例によって感想は、追記をお待ちください。

   追記・感想

 下高井戸のアパートで共同生活をする20代~30代の男女。
 読了まで時間がかかってしまい、それぞれの登場人物の名前と関係性が完全に把握できないままの読了でした。

 主人公だけが、30代で、他は20代です。
 主人公は、ルームメイト以外に競馬に一緒に行く同じく中年の男性との交遊も持っています。
 そして、競馬に行く中年との待ち合わせが、或る喫茶店。
 後に、主人公は、その喫茶店のウエイトレスとねんごろになるのです。

 たしか最初4人で住んでいて、その後もう一人加わり5人で生活するのですが、それぞれの内心の恋愛感情が交錯しています。しかも、皆、その感情を表には出さない。

 主人公は会社勤めをしていますが、他の同居人たちは、アルバイトをしていたり仕事そのものをしていなかったり、どうやって経済が成り立っているのか不思議にも思いましたが……。

 全編、そのほとんどが会話です。
 ときには、哲学的問いをやりとりする会話もありますが、結論を導き出すわけではありません。
 同居人のうちの一人の女の子が、毎日朝晩、野良猫に餌をやりに行ったり、同居人のうちの男二人が自然発生的にキーボードとサックスの合奏練習を始めたり、と、しかもその二人それまでに音楽経験があるわけでもありません。
 時間が、ほのぼのと、ゆったりと流れていく。
 保坂さんの小説は毎回こうだな、と思いました。
 型にはまったフルタイムの仕事なんてしてなくても、プライベートでも意味のある会話を意識してしなくても、もっとラフに生きて行けますよ、と、背中を押してくれるような内容でした。

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

書評
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