アパホテル社長、元谷芙美子(もとや・ふみこ)さんの、『強運』を読みました。
人生遍歴
元谷さん、生まれたとき未熟児だったそうで、一旦死にかけたのを息を吹き返したらし
いです。
また、高校三年生のときにお父さんが倒れられ、大学進学を諦められた、という経緯も
あります。
つまりは、最初から運が良かったわけではない、ということですね。
壮年になってから、大学進学されています。やりたかったことをやるのはいいことです。
そして、何より、進学のための勉強もされている。見習わねばなりません。
生き方 姿勢
どういう考え方であれば、幸福になれるのか。どういう考え方であれば、ビジネスで成
功できるのか。元谷さんの普段の実践を例にとって、章立てて書いておられます。
結婚後すぐ、夫の実家に行って暇になったとき、「何もしないでは申し訳ない」と思わ
れて、職業訓練に通われます。洋裁です。こういう、人生の閑散期に、何もしない人と潜
行して勉強する人との差は歴然ですね。何と、三つ揃えのスーツまで縫えるようになった
そうです。
営業は、お客様のためを思ってお願いをするのだ、ということ。お願い事をして申し訳
ない、と思っていては成績は伸びない、と仰有ってました。申し訳ないという考え方は、
営業マンが陥りやすいですね。
苦境から逃げずに、種をまくこと。成約がとれなくても、ポスティングなどの手間を惜
しまない。これ、同感です。
ホテル経営の苦境 そこからの脱出
京都市内のご自身が経営されるホテルが、耐震強度を満たしていない、と報じられたこ
とによって、宿泊予約をとられていたお客様に謝罪。耐震強度は、ホテルの経営者がゼネ
コンに任せていたことなので、社長が直接に悪いわけではないのですが、お客様には謝罪
しなくてはなりません。耐震偽装として連日ニュースに報じられ、銀行が軒並み借入金を
全額返してくれ、と言ってきたらしいです。そこで、会社の資産を売ることに注力された。
手足を一部もぎとるようなものですね。しかし、そのことで、後のリーマンショックも手
伝って幸運を得ることになりました。(詳しくは、本編に譲ります)太刀打ちできないよ
うな事態に陥ったときは、あせって動きたくなるのを抑えて、嵐が過ぎ去るのを待つ。【一
部本文引用】
夢は要らない 必要なのは、戦略人生だ
元谷芙美子社長の座右の銘。「夢は要らない。的確な未来予測の基、戦略人生を歩め」
この考え方を基に、ある講演会へ。そこでは、意表を突く展開がありました。面白いので、
是非本編を読んでみてください。
私自身も思うことですが、「あわよくば実現できたらいいなぁ」という夢を持つのでは
なく、必ず実現させることです。そういう戦略が大事ですよね。
・好機も有事もスピード感をもって臨む
アパホテルは、土地建物を不動産オーナーから借り受ける形ではなく、自社で所有して
いる。だから、何事にもスピード感をもって決断を下すことができる。この項で、アパホ
テルの名前の由来も分かった。その他にも、社長の先見の明をもった様々な戦略。
以上で、感想と一部内容紹介を終わります。
何よりも、ご自身の写真を広告にされているところがいいですね。チャーミングだしね。