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『反経済学講座』読了

 犬走文彦(いぬばしり ふみひこ)さんの、『反経済学講座』を読みました。


反経済学講座

反経済学講座

  • 作者: 犬走 文彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/08/20
  • メディア: 単行本

 感想は、追記をお待ちください。

 

   追記・感想

 

 この本、内容が後半に行くほどだんだん専門的になってきて、経済に関しての基礎知識

もない私には、咀嚼しきれませんでした。

 だから、最初に、この記事が本編の内容を保証するものでないことをお断りしておきま

す。

 

「卵を運ぶときに、一つのカゴに全部入れて運ぶのと、複数のカゴに卵を分けて運ぶのと、

どちらが安全か」(本文引用)

 という問いが、最初に出てきます。

 投機(資産運用)のときに、会社の人が顧客に薦めるときによく使う喩え話なのですが、

複数のカゴに分けて運ぶ方が安全とは言い切れない。という答えを出されます。

 この喩え話には、細かい設定がまったく抜けている訳ですね。

 私の考えとして思うところでは、分けていれば一つか二つの塊が駄目になった場合でも、

もう一つは活きていて、それが大きな利息を産むかも知れない、と、みんな一見思う訳で

すが、たった一つの塊が赤字になって、大規模な金額の借金となってしまっては、他が順

調でも借金の穴埋めが出来ないかも知れない。そういう意味で、資産運用のとき三つの分

散するという考え方が必ずしも安全策とも言えない訳です。

 

 モダンフォリオポート理論(マーコウィッツ理論(間違ってるかもですので、詳しくは

本編でご確認を)というのが、長い間、世間では信じられていたのです。

 例えば株価の変動のタイミングが反対の動きをする商品を複数持つ方が不況になっても

有利だという考えなのですが、

 結局、この理論も、全体の株価が右肩下がりになってしまうと、安心してこの理論だけ

に頼って運用していても結局損をすることになる、というのが、最近の経済の動向で分か

ってきたことだそうです。(勿論、安全策など度外視して、正確な勘で利益を得ているト

レーダーや投資家も居るとは思いますが)

 

 ラスベガスをぶっつぶせ?ーーーの項では、面白い確率実験が出てきます。

 結局、ギャンブルに喩えると、親の心理を踏まえて確率の考慮を変えるという選択方法

です。

 

 サブプライムローンについても、かなり詳しく書かれていました。

 それでも私には理解できれなかったのですが…(苦笑)

 金融商品とローンを関連させて運用していたようです。

 その金融商品が高値更新のままだったらよかったのですが、暴落しました。

 ローン加入者に対する審査も甘かったようです。(金融商品が値上がりしつづけると信

じきったから無担保ローンというケースも多発しました)

 まあ、それで大手銀行が破綻して、企業に充分な貸し付けが出来なくなったから、アメ

リカは現在のような不況になったらしいのです。

 

 市場介入について、不況になると、どの程度、或いはどういう種類の市場介入をするべ

きかについては、昔から、ケインジアンとマネタリストという主義があるそうです。

 私には、そのどちらがどういう特性なのか未だ理解できていませんが…。

 例えば、国がお金を刷って、市場にばらまくという方法もある訳です。

 これが、どういう仕組みなのかと常々思っていたのですが、要するに、刷ったお金(紙

幣)を銀行に譲渡する訳ですね。或いは貸し付けるのかもですが。

 今の処まだ理解しきれてないのは、そのお金は銀行の体力に影響しないのかどうかです

が…。

 まあ、それで、国から入ってきたお金を、どんどん企業に貸し付ける訳です。

 極端に考えると、返済はいつでもいいですよ、というお金の貸し付けをやって、借金を

抱えたまま、キャッシュフローを高めて、企業の活動を活発にするという事なのでしょう。

 

 しかし、この方法も商売が行われていなければ、一時的なカンフル剤にしかならない。

 物が動いていないと、つまり、喩えるなら、生産された食品が人に行きついていないと、

結局、「お腹が空いてるから、こちらの仕事は、今日はやる気ない」という事になってし

まいます。

 お金が動いているというのは、伴って物々交換が頻繁に行われていることだと言えます。

その物が、一部の種類で生産が止まってしまっては、やはり経済が滞るわけです。

 

 恐慌ということが経済予想家の頭のなかにはない。

 いつも経済見通しというとき、完全な異常事態のファクターは外して計算を導き出すも

のらしいです。それに、大打撃というほどの恐慌は実は60年に一度くらいらしいので、

一人の人生では見通しを把握しにくい、ということも有るらしいです。

 

 犬走さんのご意見としては(これも、私間違ってるかもですので、本編で確認してくだ

さいね)、ケインジアンやマネタリストの考え方も或る程度は必要だが、大恐慌になって

も、市場は、永い目でみれば必ず回復するという事。

 振り子は揺り戻しがある。

 不況になったからといって、市場介入をあまりしない方が、回復したときの好況も自然

に大きくなるだろう、という意味のことを書いておられました。

 済みません。

 内容の紹介だけになってしまいました。

 経済学を詳しく分かろうとすれば、やはり基礎知識が必要だな、と思いました。

 しかし、基礎知識がなくても、こういう新書的な本を何点か読んでみるというのも着眼を得ることにはなりそうです。

 では、また。

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 やぶにらみの鳩時計@はてな様

 

コメント

  1. 山雨 乃兎 より:

    >sasasaさん
    ナイスを有り難うございます。^^

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