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『オリヲン座からの招待状』完視聴

 Gyao放送で、邦画『オリヲン座からの招待状』を観ました。

 映画が隆盛を極めた頃、身よりのなくなった男が京都の或る映画館に転がり込んできます。

 映画産業自体が、その後斜陽になるのだけれども、まだ、その男が働きにきていた頃は斜陽ではなかった。

 原田芳雄演じる、映画館『オリヲン座』の館長は、復員して帰ってきて、しかも、煙草の吸いすぎと思われる感じで咳きを多発している。

 その館長が亡くなったあと、館長の遺志を継いで『オリヲン座』を運営していくのですが、主人公は。

 見ていて、どうして女将さんと懇意になって結婚してしまわないのだろう、と視聴者はやきもきします。

 一つ屋根の下に一緒に住んでいて、でも、籍も入れていないし、肉体関係もない。

 これでは、周囲の憶測を生むのはやむを得ないところ。

 映画館には、お客さんが来なくなります。

 谷崎潤一郎の『痴人の愛』ですら、さきに籍を入れて、周囲に誤解のないように気を配っている。

 そんな二代目館長と先代の奥さんですが、或る子供たちには慕われる。

 最後の最後、つまり、奥さんが危篤状態となったところで、主人公から愛の告白があります。

 つまり、主人公の二代目の館長は、奥さんとは何ら肉体的にも関係を持っていなかった、ということが分かります。

 これは、先代に対する義理を果たした、ということでしょうね。

 物語は現代の場面から始まって、回想として過去を語り、また現在に戻ってきます。

 そして、『オリヲン座』は、招待客のまえに、先代の一番のお気に入りだった『無法松の一生』という映画を放映して終わります。

 随所で泣かされました。

 原田芳雄が、まだ生きているように感じました。

 Gyao放送『オリヲン座からの招待状』視聴ページは、こちら

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

映画評論
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コメント

  1. 山雨 乃兎 より:

    >ビター・スイートさん
    ナイスを有り難うございます。(^。^)

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