吉岡忍(よしおか しのぶ)+古木杜恵(ふるき もりえ)グループ著の、『フリーランス・ライターになる方法』を読みました。
例によって、感想は追記をお待ちください。
追記・要約と感想
前置き
この本に書かれているのは、いわゆるクラウドワークス系ライターのことではない。
主に雑誌に書くライターのことだ。
誰でも、自ら名乗ればライターだ
まず、この本ではないが、以前読了しなかった他の本で読んだことを書いておきたい。
ライターというのは、資格が要るわけでもなく、自ら名乗れば誰でも自称ライターにな
ることは出来る。仕事があるかどうかは別だが。
その仕事を受ける場合でも、出版社にアポイントメントをとって、自ら売り込みに行け
ば、ライターだと名乗れば、出版社はとりあえず話だけは聞いてくれる、ということだっ
た。
だから、ライターとして仕事をするには、関東に住んでいるのが望ましい。
何故なら、出版社はほとんど東京に集中しているからだ。
ライターになる人の動機
本編では、現在ライターとして活躍する人の、様々な経緯が紹介される。
大手出版社に入って、編集の仕事をしていた人などが、やはり自ら書くほうの仕事に携
わりたい、という思いから会社を辞めてフリーになる場合が多い。
仕事の実情
しかし、初めのうちは、なかなか仕事にありつけない。
コネを頼りにしたり、自ら出版社や雑誌に売り込みに行ったりする。大きな雑誌の編集
部に入り浸る、というのも作戦としてアリなのだそうだ。
ライターは、編集者に書き直しを要求されることが多い。自らの文章とはまったく違っ
てしまう仕上がりになることもよくある。また、原稿に問題がなくても、読まずに、とり
あえず一回目は書き直しを要求する編集者も居る。
女性の場合の、ライターになる経緯
それぞれの人がライターになるまでの経緯を見ていると、女の人の場合、多くの企業で
は未だに、「職場の女の子」として見られていて、どうせ結婚・出産を機に辞めていくの
だから、とスキルの必要な仕事を任されることが少ない、という現状がある。そこで、ス
ペシャリティーとして将来も長くやっていきたい人が、一度自ら会社を辞める場合がある。
ライターと編集者の立ち位置の違い
編集者とライターという仕事・立ち位置を対照的にとりあげられる。その一番の違いは、
編集者は会社に雇われた社員であり、ライターは請け負いで仕事をする職人である、とい
う点だ。
ライターを目指すにも、最初は出版社の編集にもぐりこむ、とか、他の業種の仕事を或
る程度の期間体験してきたほうがよい、と書かれていた。そういう時期を経ることによっ
て、「タメ」ができるのだ、と。文章を書くのにも洞察力ができる。
特定の雑誌を主な仕事場として確保しているライター。特定の雑誌の契約ライター。こ
ういう人たちも居る。書く場所を確保しているという点で収入は安定しているが、膨大な
枠を抱えているので、かなり忙しい。
週刊誌、月刊誌が、どのように出来上がっていくのか、そのサイクルも本編では紹介さ
れている。
ライターは、机のまえに座っているだけの仕事ではない
取材に多くの時間を割き、それを後でまとめる、というのがライターだから、決して机
のまえに座っているだけで出来る仕事ではない。
出版不況
雑誌・書籍ともに、九十年代から実売総部数が減っている。この一つの原因が、携帯電
話の普及で、雑誌を買うお金を電話代にまわす人が増えたから、と述べられている。(こ
の他にも理由はある。詳しくは、本編を)
それでも、発行点数は増えているのである。いかに一冊の本の実売数が減ったか、を物
語っている。
ライター冥利とは、署名原稿を書くことだ
この本で読んだことではないが、ライターなり記者は、署名原稿を書くのに憧れている。
編集部に、認められた証であるし、そうなると他からもオファーを受けやすくなる。
仕事を確保し、そのペースを維持してゆくことが大変だ。
ライターには、賞与も給与もないのだから。
コメント
>ビター・スイートさん
ナイスを有り難うございます。(^。^)