『ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』読了(追記あり)

 Hagexさんの、『ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』を読みました。

 例によって、感想は追記をお待ちください。

   追記・感想

 「釣り師」というのが居るらしい。

 魚釣りをする人のことも、釣り師と呼ぶのだが、この本で紹介されているのは、読者を

騙して悦に入る、記事や質問の書き手、ということだ。

「2ちゃんねる」「発言小町」「はてな匿名ダイアリー」といった掲示板に書くことが多

い。

 スレッドを立てる、というが、その主文を創作するわけである。

 「トビ主」だと思っていたが、「トピ主」というのが正確で、トピックから来ている。

 読者の同情を買って、美談とするか、読者の反感を買って注目を集めるか、して、スレ

ッドのアクセスを上げ炎上させる。これが、釣り師にとっては快感なのだそうだ。

 なぜ偽の投稿をするか。その動機は、「人から注目されたい」「いたずら・ストレス解

消・暇つぶし」「自分の文章力・釣り師としての実力を試したい」「金銭をもらっている

ため」などの動機がある。

 小説家志望者だった場合も多い。新人賞に投稿しても日の目を見ないので、釣り行為を

行うことで欲求を晴らしている、という場合もあるだろう。

 スレッドが高アクセスになって、釣りが成功したあと、主文が実は釣りだったことを告

白する釣り師と隠し通す釣り師がある。美談などの場合、コメントした読者を傷つけるの

が忍びない、という理由から隠し通す場合もある。

 釣り師が好むテーマは、「恋愛系」「オカルト」「家庭内トラブル」「探検型」などがあ

る。

 読者が共感できるテーマは、読者を乗せやすい。

 投稿が、「釣り」かどうか見破る方法についても書かれている。

 たとえば、「僕は、金持ちなので、買い物は全部クレジットカードで済ませます。先日

も百貨店で100万相当の買い物をして、クレジットカードで支払ってきました」という

ような投稿の場合、「なぜ、百貨店の外商部を家に呼ばないのか」という疑問が湧く。釣

り師自体は、本物の金持ちではないので「外商部」の存在を知らない。知らないことは書

けないわけである。

 たとえば、投稿者がOLであるとしているのに、深夜3時すぎの投稿が多い場合など、

プロフィールを疑うことになる。

 文章の癖から見抜くことも出来る。その他、釣り師を見抜く方法については、本編に譲

る。

 「釣り」は個人が行うが、社会全体が自然に形成してしまう「デマ」というものもある。

発端の記事は、意図的であったり、知識不足による誤解が原因であることもある。

 拡散するデマに、デマと気づいたら、知識不足を攻撃したりすることは止めて、ゆるや

かに注意するようにすべき、と著者は書いていた。

 釣りをすることは、フック(針)にかかった読者が一斉にコメントしてくるときの快感

があるのだろう。

「ウチの嫁は、夜中でも、急に思いたったら掃除機をかけるのです。深夜2時でもですよ」

とか、「俺は、モテるんです。毎日、声をかけたその日にベッドインです。ホテル代は、

全部相手持ちです。相手も納得してるんです。やはり、俺のルックスがいいのと、セック

スの技術があるからでしょう」とか、「年収1000万あるOLですが、人並みの結婚も

したいと、最近婚活をはじめましたが、言い寄ってくる人は、皆、私の収入にしか興味が

ないようでげんなりしています」とか、読者がコメントしたくなる内容の嘘を書くわけで

ある。それが「釣り」。

 実話で感動する場合もあるが、共感や反発を呼ぶ話題は、そうそう頻繁にはないもの。

 創作を創作として小説としてアップロードする方法もあるが、実話にみせかけて他人を

乗せるのは、快感だろうと思う。

 「釣り」を見破ったうえで、「釣り」に乗ってやる楽しみ方もある。

 皆さんも、ついコメントしたくなったら、「釣り」である可能性を疑う習慣を持ちまし

ょう。

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コメント

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  2. 山雨 乃兎 より:

    >makimakiさん
    ナイスを有り難うございます。追記をお待ちくださいね。(^。^)

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