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『社員が出社しなくても仕事が止まらない会社のつくりかた』読了(追記あり)

 大木豊成さんの、『社員が出社しなくても仕事が止まらない会社のつくりかた』を読みました。


社員が出社しなくても仕事が止まらない会社のつくりかた

社員が出社しなくても仕事が止まらない会社のつくりかた

  • 作者: 大木 豊成
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2011/07/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 感想は、追記をお待ちください。

 

   追記・感想

 

 東日本大震災の折、電車が動かなくなり自宅へ帰宅できない人が大勢出た。

 その交通網の寸断によって、以降も会社に出社できない日々がつづいた人も関東を中心

に多数居た。

 そういう人たちは、一時、在宅で仕事をするようになったのだが、自宅には仕事の資料

もなく備品も準備されていない人たちは、自宅で待機するだけとなった。

 ケイタイさえ繋がらない。

 メールも受けられない。

 とくに注目すべきは、自社サーバーのドメインでメールを受けていた場合、会社の資料

も自社内イントラネットにしかない場合、震災でサーバーがやられてしまっていたので仕

事にならなかった、という事実だ。

 震災時は、ケイタイの回線はすぐにパンクしたが、インターネット回線はパンクするこ

とはなかった。それはインターネットが、網の目のような構造になっていて、一つのサー

バーがやられても、他のサーバーが健在ならば、そこからアクセスすることが出来るから

だ。(詳しくは知らないが、インターネットは電波を介していない、ということも大容量

の情報を同時期に送受信してもパンクしない要因だろう)

 一番問題なのは、会社の仕事がまわらない、ということだ。

 地震などで影響を受けても、工場が震災の影響を受けていない土地にあったとき、

どこへ、いくらの数出荷するかを指示するだけで仕事はとりあえず回転するのだが、

自社サーバーの自社ドメインのメールだけが連絡手段だと、それも出来ないことになる。

 

 必要書類は自宅で作成し、またインターネット接続可能なカフェなどで作成し、営業に

出向き、直帰して残務を自宅でこなし、会社に連絡を入れる。こういう形を普段からとれ

るようにしていれば、少なくとも自宅待機ではなく、在宅で出社したときと同じ仕事が出

来ていたのではないか、と著者は指摘する。

 自社にサーバーを置かず、サーバーを貸し付けている企業に置く、という方法もアリな

のではないか。ドメインを自由に決めることも出来るサーバー貸し付けもあるとか。(正

確なことは忘れたので、本編でご確認を)

 サーバーとて、自社の資産となってしまうので税金の対象となってしまう訳だし、物理

的に離れたところに複数のサーバーでバックアップをとっているサーバー貸し付け企業も

あるようだから、イザ地震が起こってもデータが失われる、または自社ホームページが駄

目になる、というような危険性は減るわけである。

 

 また、企画書の作成などは、複数人でする場合、メールで添付してデータをやりとりす

るよりクラウドサービスを利用してみてはどうだろうか、と提案されていた。

 電子メールは、大量に受けることもあって、大事な書類の添付を見逃すことも多い。

 クラウドサービスというのは、フリーメールやストレージサービスのことで、特定の人

同士で共有できるようにもなっている。

 そういうストレージに企画書の書きかけのものを置いておくと、一緒に企画書を書いて

いる人が、どこに居てもページにアクセス出来、編集・加筆を行うことができる。

 また、データの見落としも少ない。

 クラウドサービスのお薦めとして、Google apps とG-mailとDropboxをとくに推されて

いた。

 確かに、G-mailでは転送設定にしても一旦は原本がサイバースペースに残るし、自分

にとって重要なメールは色分けされるという特性を持っているので、確認を忘れることが

ないだろう。しかも、ネットカフェからでもアクセスできる。

 今回、Dropboxを導入して自分の原稿をインポートしてみたが、インポート速度がメチ

ャ速い。しかもファイルの種類を選ばない。

 

 紹介されていたサービスを少し羅列しよう。

・紛失したノートPCを起動できなくするインテルのvpro

・iphoneやipadをなくしたときにどこにあるかを探せる「iphoneを探す」というアプリ

ケーション。

・なくした端末のデータを消す、ソフトバンクの「リモートワイプサービス」。

 

 ノートPCにはノートPCのipadにはipadの良さがある。

 ipadは長い文章を制作するのには向いていないから、出先で書類を作成する場合でも長

い書類の場合はノートPCが有利だ。

 一方ipadは、顧客や同じプロジェクトを実行する相手に出先で会ったときに、スクリ

ーンに投影しなくても端末を相手に向けるだけで上下の表示が入れ替わって見やすくでき

る点があるので丁度よいと言えるだろう。【加筆】この特性を活かせば、自分が売り込む

商品のカタログは、ipadに入れて、紙のカタログを一切持ち歩かなくてもよい、という

利点がある。また、カタログの写真でも、紙のカタログに印刷されたものよりipad上で

見せたほうが綺麗である、ということもある。

 社員として雇用していても、一週間に何日かは自宅で仕事をさせるようにすれば、移動

の時間的な無駄、その移動で疲労することによる効率低下などをなくせる。

 地震が起こったときだけではなくて、普段から在宅での勤務も認めてはどうだろうか、

と著者は提案する。

 人事部や管理職が社員に目が届かない、または、社員の査定が出来ない、という理由か

ら在宅での勤務に対して無碍に反対する上層部も多いのだが、その点は、社員とマンツー

マンで対話するミーティングのときを敢えてつくることで社員の仕事に対する取り組みを

把握できるのではないか、と仰有っていた。また、社員の出先や社員が立ち回りそうな

カフェに、人事の査定担当者が出向くのもアリだろう、と。自分はいつも会社から動かない

で、社員の巧拙・査定を得ようという、時代遅れな考え方を見直さなくてはならない、と。

 ノマドワーク(遊牧民という意味のノマド。会社に常駐する形ではない就業形態の社員

のこと。その働き方を指す)に向く社員と向かない社員が居る。

「2:6:2の法則」というのがある。

 すなわち、二割の社員は、自発的に自分がすべき仕事を探してきて取り組む社員。六割

は、命令されれば、命令されたことだけはやる社員。あとの二割は、仕事の足を引っぱる

社員である。この法則、意外にあらゆる会社の現状を表すときに成り立っているようで、

この割合が、どんなに規模の小さい会社でもあるようである。

 だから、ノ
マドワークを頼むのは、仕事を自発的にやる社員と命令されたことは忠実に

こなす社員、全体の八割までの社員にしよう、ということだ。

 私も原稿書きの生活に入ってから、時間が自由にできる生活なので、ときどき怠けてし

まう。時間枠に縛られている方が成果を出せる社員も居るということなのだ。

 自宅で仕事をするのだから、メリハリがなくなるし、家族も、「あれで仕事なのだろう

か」と「家の手伝いもしないで何をやっているの」という不満をぶつけてきたりする。集

中したいときに大きな音をたてて掃除されたりしないように、家族に充分に説明して理解

を得ておく必要がある。同様に、近所の人に怪訝に思われないように、コミュニケーショ

ンをとっておくことも大事だ、と書かれていた。

 まだ本編には、様々な要素、案件、提案があった。書評による紹介はここまでとする。

 感想として思うのは、納品書や領収書は、外に居てもパソコンがあれば作成できる、と

いう点が大きい。折角まとまりかけた契約もクロージングの際にもたもたしていると逃す

ことになる。そういう場合に、商品の価格や製品のスペックをダウンすることのないクラ

ウドサービスからその場で調べて確認をとれることは仕事の成功への近道だ。出来が速

い、優秀社員の賞賛を得ることにもなるだろう。

 ストレージにしても、小規模スペースでは無料だが、大容量スペースのサービスは有料

だ。だが、お試しの小規模スペースで、どこのサービスが使いやすくてセキュリティー的

にも安心できるかを見極めれば、会社のサーバー内または自分の仕事用のパソコンにだけ

データを残すのでなくてクラウドサービスを利用することは、大いに意味がある、と思っ

た。

 私自身がつかっているマイクロソフト社のskydriveも含めて、自社で納得のいくストレ

ージやフリーメールを使ってみる。その方が、震災などがない平時でも仕事の効率は上が

る筈だ。と納得させられた。

 クラウドサービスを利用する利点は、同じプロジェクトに参加している社員が、常に途

中までの仕事の進捗状態を把握できていることである。

 そんなメンバーが会議を開けば、すぐに本題に入ることが出来る。

 こういう態勢こそ、パソコンとインターネットを使った一つ上の態勢と言えるのではな

いだろうか。

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コメント

  1. 山雨 乃兎 より:

    >ビター・スイートさん
    ナイスを有り難うございます。(^。^)

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