万年筆にちょうど合う紙は、何なのでしょうか。
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万年筆と紙との相性 ポイント
書き味
ペンポイントの形状とインクフロー(インクの出方)の善し悪し、紙の質感(ツルツル・ザラザラ)の違いによって、スラスラ書けるか抵抗感があるかが変わります。
・ペンポイントが丸く、インクフローが良い場合、書き味は滑らかです。反対に、ペンポイントが角張っていて、インクフローが悪い場合、書き味は抵抗感があります。(大げさに言えば、刻み込んでいるような感覚)
・紙がツルツルしていると、インクが紙の上に留まって、ペンポイントと紙の間にインクがクッションになるので、スラスラとした書き味です。反対に、紙がザラザラだと紙の表面にペンポイントが引っかかるし、インクもすぐに紙の素材の網の間に吸い取られるので、ペンポイントと紙の間にインクが保持できず、ペンポイントと紙が直に当たるので摩擦感(抵抗感)がある書き味になります。
書いた文字の発色の差
紙に書いた文字の色が鮮やかかどうかは、インクの紙への染みこみ具合で変わります。染みこみが良いと、インク色は薄まります。あまり染みこまないと、深く濃い発色です。
にじみ具合
文字の線のフチが、ストレートな場合とリアス海岸のように凸凹してる場合がありますね。それは、紙の質の違いによるにじみ具合の差です。
・にじんだ文字のほうが趣があると思える場合もありますが、最低限、文字がすぐ判別できるぐらいには、にじまないほうがいいでしょう。
乾きの早い遅い
乾きが遅いと、乾いてない文字に手が当たるとインクが擦れて縦横に筆跡が伸びて読めなくなることも起こります。
それを防ぐため、原稿用紙で書く場合などは、書いた行の上にインク吸い取り用の紙をのせて、その紙の上に手をのせて次の行を書くなどの工夫もあります。
インクの乾きが遅すぎる紙は、選ばないほうがいいでしょう。
裏抜けの問題
インクの文字が、下の紙にまでうつってしまうことです。
こうなると、下の紙(次の紙)が使えませんね。
インクの問題(染料インクか、顔料インクかなど)と紙の問題、両方が原因です。
裏抜けしないかどうか、愛用の万年筆で確認してから、紙とインクを購入しましょう。
万年筆に合う紙・合わない紙
万年筆に合う紙
・原稿用紙
原稿用紙は、万年筆で書くことを想定して作られています。
ほとんどの場合、裏抜けしません。
ただ、個体差はあります。
インクフローが良すぎて、さらに染料インクの場合は裏抜けが起こることもあります。
・便箋
便箋も万年筆で書くことを想定して作られている場合が多いです。
しかし、毛筆用の便箋もあるので、選びましょう。
・ノート
個体によります。
裏抜け・にじみ、の問題があるかないか。物次第です。
一冊買って、試してみることをおすすめします。
万年筆に合わない紙
・はがき
すんなり書けますが、郵送中に雨に当たったりすると、文字がにじんで最悪の場合判読できなくなります。
気持ちが伝わる筆致ですが、あまりおすすめは出来ません。
【加筆・改訂】顔料インクの場合、書いてから30分以上経つと滲みません。
はがきの宛名書きには、顔料インクを選びましょう。
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・色紙
ほとんどの色紙は、万年筆で書くと、文字がにじんでしまいます。おすすめ出来ません。
ただ、インクがにじみにくい色紙もあるそうです。
どうしても色紙に万年筆で書きたい場合は、そういう色紙を選びましょう。
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*万年筆の選び方については、こちらの記事をご参照ください↓
万年筆おすすめ品紹介(用途・思い入れによる)
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コメント
以前にも万年筆に関する記事を読んだ覚えがあります。たまたまなのですが、つい先日、ひさしぶりに万年筆を使ってみました。空になっていたインクを入れ替えて(カートリッジ式です)、適当な紙に書いたのですが、全然インクが出てこなくて。しばらく書き続けていたら、書けるようになったのでよかったです。それにしても写真の生原稿。字がキレイですねー。驚きました^^;。
カートリッジ替えてすぐは、インクが出ませんね。
でも、イライラして本体を振ったらダメですよ。
紙をなぞっていれば、出てきます。
この原稿、書き直しの意味で何度か書いた原稿なんですよ。
元稿ではありません。元稿は、A四の紙に殴り書きです。(それは、字が汚いです(笑))
手書きだと、文体を意識できるのでいいですね。(^。^)