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『しずく』読了

 西 加奈子さんの『しずく』を読みました。

しずく

しずく

  • 作者: 西 加奈子
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/04/20
  • メディア: 単行本

 短編集で、日々の生活での思いを正直に書いていらっしゃるように感じました。(著者の現実と必ず一致しているという訳ではないかもですが)

 職場のなかでの女同士の思い、とか、同年代の同性が自分より幸せになっているのではないか、とか感じてしまう意識を描写されています。

 子供、主人公の結婚相手の連れ子に対する思い。子供全般に関するうざったさ(言葉は悪いですが)、とか、子供を自分だったらこう育てるのに、と思いながら、それを他人の家庭に進言する訳にはいかない歯がゆさ、とか、心象描写が肉薄して伝わってきます。

 表題作、『しずく』は、猫の視点なんですが、多分、猫たちはこういう感覚で生きているのだろうな、と思わせます。それに、人間の暮らしの方もストーリーを持って変化していく様が絡んできます。

 全然、視点が別の話ですが、西(著者)さん、かなり、形容詞とか、形容に使う擬態語とかを大分吟味されて書かれていると思います。ありきたりにならないように、僕も書く時に苦心する部分です。

 光文社さんのホームページに新刊として紹介してあったので図書館で目に入って借りてきました。

 収録作中で、『木蓮』は、共感するところ多く、そうそう、と頷きながら読め、後半は爆笑します。(作中の子供の言動が意表を突いているから)

 『シャワーキャップ』は、しみじみとします。(ああ、やっぱり年の功で、親は自分の先輩なんだなーと感じます)

 表題作『しずく』は、猫が、人間のようには長く記憶を維持できない、という処が、舞台装置として効いて、最後にきて「人間って寂しいなぁ」と感じさせます。

 西 加奈子さんと直接関係はない余談ですが、光文社さんの、カッパ・ワンという賞は、殆ど持ち込みの窓口のような賞なので、こういう賞が有ることは救いです。エンタテインメント性を重視される賞ですから、ストーリーの面白いものを充てないと難しいようです。

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 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

書評
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コメント

  1. sakamono より:

    西加奈子さんは、気になっていましたが未読でした。
    たしか「さくら」という小説だったかと思います。
    「しずく」、読んでみようかと思います。

  2. 山雨 乃兎 より:

    >sakamonoさん
    僕は今回、光文社のサイトで西さんを知りました。
    女性のホントの心情が、多分こうなんだろうなぁ、と僕は読んでて感じられました。

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