門前典之(もんぜん のりゆき)さんの、『浮遊封館』を読みました。
例によって、感想は追記で挙げます。
少し遅れます。ご了承ください。
追記・感想
事件物の謎解きミステリーなので、粗筋を紹介する訳にはいきませんが…。
或る(架空の)宗教団体の陰謀が大筋です。
タイトルの意味は、最後まで読むと分かります。
謎解き役の探偵兼建築設計士の蜘蛛手とその友人宮村のやりとりがお互いにジョークが利いていて面白い。笑わされます。
蜘蛛手が設計したマンションで起こった殺人事件と、それが発端となって発覚していく、教団”奇跡の光”の大きな犯罪という、おぞましい事件の全貌が明らかになる展開のなかでは、蜘蛛手と宮村のやりとりの滑稽さが救いになっています。
初めは、ジャンボ機の機内のほのぼのとしたシーン。そこから…。
次に、教団の修行を暗視カメラで監視する二人の老人の場面。
さらに、蜘蛛手と宮村のおとぼけのやりとりから、教団の悪性が明らかになっていき、遂に読者の目の前で事件が起こる。
最初は、何がどうなっているのか分からない。或いは、単なる家族小説かな、と思っていましたが、何度か謎が提起され、事件が起こってからは、その解明に至るまでサスペンスの緊張が続いて読者を飽きさせません。
何よりも、現実にありそうな事件でした。
建築の知識も盛り込まれているし、そういう意味でも読者に新事実を提供する作品でもあります。
面白かったです。
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