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『独居45』読了(追記あり)

 吉村萬壱(よしむら まんいち)さんの、『独居45』を読みました。


独居45

独居45

  • 作者: 吉村 萬壱
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: 単行本

 書評は、追記をお待ちください。

 

   追記・感想

 

 主人公が何人も出てきて、その視点から同時期の人同士の繋がりやエピソードが語られ

るのだが……。

 実は、この本、図書館で冒頭から少し読んでいて感じたのですが、この主人公の内の一

人、坂下宙ぅ吉(さかした ちゅうきち)という登場人物は、ひょっとして僕をモデルに

書かれているのだろうか。

 吉村さーん。不気味ですよ。

 坂下宙ぅ吉の設定が、僕とリンクするところが多すぎます。

 1963年生まれであること。

 単行本を出しているが、寡作であり、発表の場を持っていないこと。

 単車に乗ること。

 ポケット瓶(ウィスキー)を飲むこと。

 坂下宙ぅ吉の作品『粘着三昧』の「粘着」というキーワード。(拙ブログにも、「ああ

粘着質」などという記事も挙げましたし)

 ああ、やっぱり、ブログで私生活も挙げていると、題材にもされてしまうものかも知れ

ない。しかし、この作品の登場人物『坂下宙ぅ吉』ほど変人ではないですよ。僕は。

 性描写や猥雑性で定評(と少なくとも僕は思っている)の吉村萬壱さん。

 今回の作品でも、如実にそれが表れています。

 『女』という項目で語られる独居の独身女性の独白が、実は、坂下宙ぅ吉の作品だった

とは。となると、この女性の奇行癖も、坂下宙ぅ吉の人となりの一部、或いは願望の一部

という事になる。こうなると、吉村さんご自身の深層意識の投影も重なってきているのだ

ろうが。

 作家の住んでいる一戸建ての名称も、かなり僕の本名を掠っていたりする。

 人類の蛮行の為に苦しんでいる人たちの為に、自分の身を実際に削る坂下宙ぅ吉。確か

に、そういう修行も成り立つのですが、滑稽です。

 屋根の上にマネキンを置いて、その中に肉片を仕込んで鴉に啄ませるとか。同じく屋根

の上に大きな手(作り物の)を置くとか、は確かに象徴的ですし、一種異様な風情を創り

だしています。

 しかし、相変わらずの吉村ワールド。エロ・グロの度合いも充分健在です。

 今回は、自分をモデルに書かれているのでは、という思いばかり先に立ってしまいまし

たので、変わった感想になってしまいました。

 内容が非日常的なので、「何だろう。どういう事だろう」という疑問が、恐らく読者に

は湧いて先を読まされるでしょう。

 僕の頭の中では、物語りの場所を地元に想像して画まで浮かびました。

 してやられたなぁ。

 それでは、また。

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