『食い逃げされてもバイトは雇うな(禁じられた数字〈上〉)』読了(追記あり)

 山田真哉さんの、『食い逃げされてもバイトは雇うな(禁じられた数字〈上〉)』を読みました。


食い逃げされてもバイトは雇うな~禁じられた数字〈上〉~ さおだけ屋はなぜ潰れないのか? (光文社新書)

食い逃げされてもバイトは雇うな~禁じられた数字〈上〉~ さおだけ屋はなぜ潰れないのか? (光文社新書)

  • 作者: 山田 真哉
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/03/29
  • メディア: Kindle版

 前記事の『ブログ進化論』の感想ともども、追記アップロードまで、しばらくお待ちください。

 

   追記・感想

 

 タイトルの真意ーーーこれを書いてしまってよいのやら、と思うのですが、それで読む価値が

なくなるという事はない会計知識の網羅された本ですので書きます。

 

 テレビ番組(多分バラエティー)の司会者が、よく食い逃げされるラーメン店の話しをされて

いて、店主一人で経営していて出前にも出掛けるので食い逃げされる、それだったらバイトを雇

って見張り番の役割を持たせればいいのに、と、番組のなかではそのお店の店長のことをゲスト

も一緒になって笑った、というエピソードなのですが……。

 実は、山田真哉さんがあらためて考察してみると、食い逃げの確率から割り出したおおよその

損金と、バイトを雇って必要になる人件費を比較してみると、仮想のこの本の中でのケースでも

バイトを雇った方が、二倍損をするという計算になるのでした。

 

 冒頭から「数字がうまくなる」ことのメリットについて語られます。

 「数字がうまくなる」というのはどういう事なのかについては、是非本編をお読みください。

 「今日は渋谷で6時53分」「タウリン1000ミリグラム」「食い逃げされてもバイトは雇う

な」「決算書の見方はトランプと同じ」と項目がつづきます。

 会計で使う数学は、小学校で習う算数の加減乗除だけで足りる。それに、会計では数字だけで

なく項目と単位が出てくる。この二つのことに気づかれてから会計学に関する苦手意識がなくな

られたそうです。

 

 広告の文章で、他店(他社)よりもインパクトのある文章をつくるには、数字をどう表現すれ

ばよいか。という事も、既知のことでありながら再び納得しました。

 決めつけ、常識やぶり、ざっくり、という文章が説得力を持つ仕掛け。

 たとえば、『なぜ若者は、3年で辞めるのか』という本のタイトルも、実は3年というのは必ず

しも正確な統計の平均値ではない訳です。言いきってしまう事で、説得力が増す訳です。

 

 食い逃げされてもバイトは雇うな、の項目の中の「あの牛丼屋にはなぜ食券機がないのか」と

か「古本屋はなぜ潰れないのか」といった項目の内容も興味深かったです。

 疑問が湧いたら、数字を推測して仮定的に店のことを考えてみよう、ということです。

 実は、この思考癖は、私も以前からあります。

「何で流行ってないのに、あの店永くつづいているんだろう」などという疑問ですね。

 他人の財布を推測してみるというのは、それだけでも楽しいことですが。

 そういう店の場合、実は、儲かっていないようで、きちんと儲けが出ているのです。

 大体一日に何人お客さんが来て、備品や消耗品に幾らかかって、テナント料に幾らかかって、

人件費には幾らかかっているか、を予測してみると、それが判ります。

 たとえば、食券機を置いていないお店は、料金の取りこぼしのリスクはありますが、忙しくな

ってきたときでも、スイスイお客さんが入店してくれる、というメリットがあります。混んでる

から他の店にしよう、とお客さんが減る心配がないのです。

 

 「決算書の見方~」という項目が一番面白かったです。

 売り上げだけでその会社を判断するのは愚の骨頂ですね。それくらいは私も知っていましたが、

前年比という比率だけでもまだ甘い。何故なら、比率はパーセンテージであって実数ではないか

らです。

 さらに、売上高利益率という見方があるんですね。

 また、どうして、粉飾決算を見抜くことが出来るのかについても書かれていました。

 

 この本は下巻へとつづきます。

 下巻を読んだら、また感想を書きますね。

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