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『牛丼のひみつ』読了(追記あり)

 学研、まんがでよくわかるシリーズ44『牛丼のひみつ』を読みました。


食品のカラクリ2  「肉」のヒミツ−「牛丼肉」のスゴイ利益 (別冊宝島)

食品のカラクリ2 「肉」のヒミツ−「牛丼肉」のスゴイ利益 (別冊宝島)

  • 作者: 郡司和夫
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2006/09/16
  • メディア: ムック

【注意! 上記バナーは、別の本です。アマゾンに、当該の本のコーナーがなかったのでご容赦を】

 ・2009年3月17日 初版
 ・漫画ーーーひろゆうこ
 ・構成ーーーオフィス・イディオム
 ・発行ーーー株式会社 学習研究社
         コミュニケーション ビジネス事業室

 小学生向けの漫画です。

 例によって、感想は、追記をお待ちください。

 

   追記・感想

 

 子供向けの漫画だからといって馬鹿に出来ない。

 充分に情報が詰まっている。

 『ポロン星』の食糧問題を解決する模範的システム、策を地球に取材に来る食料大使。

 余談かも知れないが、十億光年の距離に地球と環境のよく似た『ポロン星』はあるのだ

が、どうやって地球に来るのだろうか。そもそも十億光年離れているということは、観測

している現在、その星は10億年まえの姿を表しているわけで、存在がまず成り立たない

ことになるのだが。でも、こういうストーリーで地球の現状を紹介する方法も面白いと言

える。

 全編で語られるのは、牛丼店『すき家』の詳細な業務内容である。

 この作品の一番言いたいことは、『すき家』では、何重にも安全管理・品質管理をして

いますよ、ということのようである。

 BSEの問題が起こってから、或いは起こるまえからなのか、ここがはっきり書いてい

ないが、どちらにせよ、『すき家』では、BSEの発生していないオーストラリア産の牛肉

を使用している。

 牛丼に使われている食品、つまり、牛肉、たまねぎ、ご飯、にはどのような栄養素があ

るのか。『すき家』で牛丼に使うのは牛のどの部分か。肉牛には、どんな種類があるのか。

『すき屋』では、肉や野菜を、商社を通さず直接買い付けている。たとえば、たまねぎを

中国から輸入するとき、国(日本)で決められた安全基準よりもさらにきびしい『すき屋』

自身の基準をクリアしたものだけを輸入している。肉やたまねぎを牛丼店にとどける前に

スライスする工場でも、品質管理を徹底している。などという内容が語られる。

 さらに、日本人の牛食の歴史。明治時代になってから一般大衆も牛肉を食べるようにな

った、という歴史。

 まあ、これらのことが、「マナミ」という小学生11歳の女の子の体験するストーリー

に合わせて語られる。

 『すき屋』のメニューも紹介される。が、しかし、昔からよく思うことは、全国チェー

ン展開のカレー店でもそうだが、調理してメニューを増やしているのではなく、上に何を

トッピングするかによってメニューを増やしている、ということだ。カレーをカツカレー

にするといっても、トンカツは調理しなくてはならないが、そういう問題ではなく、全体

に一緒に炊くとか煮るのが料理のバラエティーなのに、と思ってしまうが。

 さらに脱線するが、牛丼というのも私の知識の歴史からいくと異様なものである。よく

昔から親子丼と他人丼は食べていたが、牛肉とたまねぎが主体の牛丼というのは大分年齢

を重ねてから知った。何も、牛肉以外をたまねぎだけにしなくてもよいとも思うが、それ

が効率よく大量に速く調理するためにはよいのだと思う。決しておいしくないということ

はない。確かに旨い。

 牛肉の部位名紹介では、牛丼は「ばら肉」の部分を使っていることが分かる。

 焼き肉屋では、カルビとも言う。私は、それを知らないでお店で恥をかきながら店主に

教わったことがあった。

 しかし、それにしても「ばら肉」とは、人間で言うと胸や胃の辺りの筋肉および贅肉と

いうことになる。自身のその辺りを見ても、確かに脂がついているから、「ばら肉」は美

味しいというのも頷ける。

 頁の端には「まめちしき」という項目があって、本編ストーリーで出現したキーワード

に関して、さらに深い知識を補完している。

 この本全体を読んでいく内に見えてくる隠された主張としては、全世界的にみれば、飢

えと栄養不足が死亡原因のトップである、という現実を読者に突きつけたい、ということ

があるように思う。アフリカや中国の一部や南米の一部で、それが顕著であるように窺え

る。本編中の分布地図を見る限り。

 しかし、その問題をどう解決するか、という的確な案を披見するというところまでは踏

み込んでいない。まあ、それは別の本で一冊分になることだから無理もないと思う。

 医療や生活環境、生活水準が低いと子供は増えるし、その子が若い内に亡くなることも

多い。また、充分な食料をたとえ輸入にしろまなかえるか、という問題も国ごとにある。

個人的にしろ、団体でにしろ、さらに世界の動きとしてにしろ、食糧不足による死者の多

い現状国を救うのは難しいだろうと思う。食料を持っていって、どうぞ、だけでは済まな

い。そんな簡単な問題ではないからだ。

 この本を読んでいて、その問題のほうを強く考えた。

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コメント

  1. 山雨 乃兎 より:

    >xml_xslさん
    ナイスを有り難うございます。(^。^)

  2. 山雨 乃兎 より:

    >ビター・スイートさん
    ナイスを有り難うございます。(^。^)

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