『事実婚新しい愛の形』読了(追記あり)

 渡辺淳一さんの、『事実婚新しい愛の形』を読みました。


事実婚 新しい愛の形 (集英社新書)

事実婚 新しい愛の形 (集英社新書)

  • 作者: 渡辺 淳一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/11/17
  • メディア: 新書

 例によって、感想は追記をお待ちください。

【今回、諸般の事情により、「追記・感想」が大幅に遅れます。ご容赦ください。】

 

   追記・感想

 

 結婚は、女性の場合、専業主婦になって子供も育てるなら、対象の男性に生活力を求め

る。

 子供は望まなくていい、しかも自分の仕事をつづけたい。尚かつ相手男性の姓に変えら

れたくない。夫の実家の墓には入りたくない。等といった願望が現今の女性にはある場合

が多い。

 そこで、同棲でもなく、内縁でもなく、事実婚は、選択肢としてどうだろうか、という、

事実婚を推奨する内容が、本編の総論である。

 事実婚とは、お互いに旧姓を名乗り、戸籍は、どちらかの戸籍にどちらもが入らない。

その意味で内縁関係である。そして、住民票のほうは、同居していても、「未届」という

記載を片方がして、事実上同居していることが認められ、各種公的サービスも受けられる。

ただし二人の間に子供が出来たときには、非嫡出子となる。非嫡出子は、相続の歩合が、

すでに二人のうちどちらかか双方に嫡出子が居た場合、遺産を受け取れる額の割合に於い

て分が悪い。嫡出子と非嫡出子との遺産の割合のケースについては、本編で解説されてい

る。二人の間に出来た子供は、二人のうち、どちらかの姓を名乗ることになる。通称では

なく戸籍上の名前である。有名人が結婚した場合、戸籍上の名前と、旧姓を通称として使

い分けることがあるが、事実婚の場合は、戸籍上の名前が元のままということだ。さらに、

お互いに生活費をどうするかは、おおむね事前の話し合いで決めておく。事実婚の場合、

家賃や二人共用のものについては折半とし、個人的なものの購入などは本人が負担すると

いうケースが多い。

 読んでいて、従来の結婚のようにウェットな関係ではなく、お互いに、経済的にまった

く依存しない形なのだな、と思った。

 

 独身男性は、これから結婚する相手の経済的側面を完全に一生支えなければならない、

と思うと、結婚はハードルが高い。

 独身女性は、子供も作らず男性に経済的に依存もしたくない、という考え方の人も居る

から、事実婚が丁度よい、との論旨だった。

 

 ここらで感想も書いてみる。

 そんなに夫側の墓に入るのが嫌なのか、と、世の女性に対して思う。

 海外では、事実婚が法律で認められていて(日本でも法律では認められているが)、そ

の上に好条件が整えられている、ということだった。子供を養育するために休職した場合

の給与保証もされている国もある。(スウェーデンには「サンボ」。フランスには、「パッ

クス」がある)

 事実婚がよいともわるいとも一概に言えないし、正直なところケースバイケースだろう。

 一つの見方としては、事実婚が増えると、日本の家制度がなくなってしまうと思う。

 対談や座談会という形式で、有名人や、現在独身の女性、事実婚を履行している夫婦な

どに語ってもらっている。詳細は本編に譲る。

 かなり事実婚推奨の総論になっている本編だが、事実婚で自分たちの子供を育てている、

というケースがまったく出てこない。そのケースでは事実婚は圧倒的に不利だと私は思う。

或る程度の年齢になった子供を養子として受け入れて、お互いに仕事をつづけているケー

スはあるが。

 未婚率を下げるには、良案かも知れない。

 少子化対策には、現在の日本のように子供が幼い時期に妻の給与を国が保証するという

ところがないのでは、あまり有効とは言えないと思う。

 不倫は、法律婚の場合でも隠れているだけで相当数あるのが現状なのだ、と渡辺氏は仰

有る。だから、事実婚が増えたからといって不倫が増えるわけではない、と。

 田舎では、「あの人、所帯も持ってないのか」といった周りからの批判も多いが、都会

に住んでいると、他人のことをとやかく誰も言わない。事実婚という制度も都会のほうが

受け入れられやすい。

 私の感想としては、それなら内縁で、お互いの家やアパートに定期的に行く「通い婚」

でいいのではないか、と思った。

 家というものをなくしてしまって、ただの個人という位置づけだけでホントにいいのか、

と私は思う。

 皆さんは、どう思われるだろうか。

 是非、本編をお読みいただきたい。

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