勤めていた会社の業務を、差し支えない範囲で紹介しますと、
環境ビジネスもやっていた会社だったので、グリストラップ槽の保守・管理もしていました。
どういうことをするのか、というと、
グリストラップ槽というのは、料理店などで、流しから流す水の、下水道に到達する前の
段階で、水槽のようなものを設置しているのですが、それをグリストラップ槽と言います。
どうして、そのようなものがあるかと言うと、下水に脂分が直接流れ込まないための
環境への配慮として義務づけられているのです。
どうやって、脂分を下水に流さないようにするか。
グリストラップ槽に、一旦水を溜めて、グリストラップ槽は水槽のようになって
いますので、そこの上部に脂を溜めて、下層の水だけを下水に流すわけです。
このグリストラップ槽の保守・管理なのですが、方法は二つあります。
浮いた脂をバキュームで、ごっそり取ってしまう方法と、
バイオという脂を食べる細菌を水槽のなかで活かせて、その細菌に脂を食べて
もらって、細菌が出す糞だけを柄杓ですくってきて、バイオを定期的に、新鮮な
ものに取り替えるという方法です。
僕の勤めていた会社は、後者の方法で保守・管理していました。
ところが、これが、非常に大変な作業なのです。
バイオが脂を食べる、といっても、限度があります。
多くのお店が、調理して余った食材や残飯を、そのまま流しに捨てていまして、
グリストラップ槽は、大変な状態に。
ときには、チーズ臭いゲル状の白い半固体で、占領され、
ときには、うんこ色のゲルが大量にある。
それで、お客さんにも、だいぶ説明したのです。
残飯をそのまま流しに流さないでください。バイオが食べられる脂の量は、
そんなに多くはありません、と。
ところが、いつまで経っても、いつ伺っても、大量のゲルが溜まっているお店も
ありました。
まあ、そこは、サービスですから、ゲルをとってくればいいのですが。
大変な作業でした。
腐った粕汁を、大量に柄杓ですくってくる、そんな感じです。
あるとき、あるお店に伺うと、グリストラップ槽が、全面、カレー色。
お客さんの、お店の従業員さんに、
「カレーを流しませんでしたか」
と訊くと、
「いえ、そんなものは流していません」
とのこと。
どう見ても、カレーですよ。
カレー色だし、カレーの臭いがするし……。
経営者さんと従業員さんと、業者の僕が相席していましたから、
「カレーを流しました」
とは言えなかったのだと思いますが。10リットルはあったと思います。
実に、大変な作業でした。
夜の作業が多かったです。
帰ったら、妻がイチャイチャしてくるのですが、
「ともかく、先に、風呂に入らせてくれ」
と言って断っていました。
全身、うんこ臭いんですから。
それなのに、「最近、ちっとも構ってくれない」と、妻はむくれます。
大変な時代でした。
作業を終えたあとの、その日の妻が用意した晩飯が、粕汁とかね。(苦笑)
コメント
奥さんは主にどんな料理を作ってくれてたのですか。今家族は何人????????一人暮らしですか そのようにうつりますが
>ヨーグルトの気持ちさん
ご訪問有り難うございます。
亡き妻の作る料理は、洋風でした。アスパラガスときのこを焼いてクリームをかけた、何て言う料理なんでしょうね。名前を知りませんが、そういうのとか、アボガドとかブロッコリーとか、クリームシチューとかですね。
今、弟と母と一軒に住んでいます。でも、僕の部屋は離れなので、半独り暮らしのようなもので、夕食のとき以外はほとんど家族と会いません。内鍵もかかり、トイレも近く水道も冷蔵庫もある要塞です。(笑)
また、お寄りくださいね。(^。^)
>sakamonoさん
ナイスを有り難うございます。(^。^)