PR

私の日常(フィクション)

 自室でくつろいで、鼻くそをほじくっている。
 私は、鼻くそをほじくりやすいように、右手の小指の爪を伸ばしている。

 玄関のチャイムが鳴った。

「お久しぶりです」

 同業で色々とアドバイスをしてくれている、安村だった。

「やあ、久しぶりだね」

 私は、歓迎の意味を込めて、右手を差し出した。

 信頼を確認する、硬い握手だった。

 私は、安村を自室に招じ入れた。

「外は暑いだろう。冷たい物でも飲んでくれ」

 私は、そう言って、隣室の冷蔵庫から半分残ったコカコーラの大きなペットボトルを持ってきて、グラスに注いだ。

 安村は、旨そうに飲んだ。

 このペットボトルは、昨夜、私が口のみした物だ。

「随分、くつろいだ空間ですね。この部屋でお仕事を?」

「まあ、そういうことだね」

「あれは、何ですか」

 安村は、床に直に置いてある白い布を指さして言った。

「パンツだよ。いつでも、下着だけは新しい物にしておく習慣があってね。普段から準備してるんだよ」

 嘘だった。

 それは、私が、昨夜汚してしまったパンツだ。

「あの、済みませんが、タオルを貸していただけると有り難いのですが……。汗がなかなかひかなくて」

 私は、部屋に常備しているタオルを、安村に手渡した。

 実は、そのタオルは……。

 いや、これ以上はやめておこう。

 私はこのブログで万年筆の魅力を綴ってきましたが、実は長年、その万年筆を相棒に物語を紡いできた小説家でもあります。

 インクが紙に染み込むように、人の心の奥底にある「光と影」をすくい上げたい——。そんな想いで書き上げたのが、私の代表作『閉鎖病棟』です。

 閉ざされた場所で交錯する、剥き出しの人間模様。 作家として「本当に面白い、価値のあるものを届けたい」という一心で、一文字ずつ丁寧に命を吹き込みました。

 万年筆を愛するあなたなら、きっとこの物語の「手触り」を感じていただけるはずです。

 画面を閉じる前に、ぜひ一度、私の本の世界を覗いてみてください。

ラフに語る、つれづれ記
山雨 乃兎をフォローする

コメント

PVアクセスランキング にほんブログ村 新(朝日を忘れた小説家)山雨乃兎のブログ - にほんブログ村