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『姫路文学館夏期大学』に行ってきました。(講演者 林真理子)

 今日、第一回の講演者は林真理子さんでした。

anego

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  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/06/06
  • メディア: 文庫

 私は、特にファンという訳じゃなくて著作も囓り読みしかしたことがないのですが。

 伝記小説を書かれることもある、というお話し。

 最近は浅丘ルリ子さんの伝記小説を書かれているそうです。

 浅丘さんご本人に取材して、登場人物を仮名表記にして書かれるのだそうですが、恋愛の場面などは、林さんの想像で書き進められるそうです。それで、かなり、きわどい描写になっていたりして、今は野生時代に掲載されているからいいけれど、単行本化になったら大分反撥も各方面からあるのではないかな、と危惧されているそうです。

 ご自身の田舎に帰ることがあって、そんな時、昔からの同世代の女性が独身のまま個人商店の経営者になっていたりする。

 それを感慨に耽って感じ入ると、変わったストーリーが浮かんで、短編にして編集者に渡した、と仰有っていました。

 或る田舎に父娘が居る。娘が成長していって適齢期になるのだけれど、父としても変な奴のところには嫁にやりたくないという考えもあって、娘は婚期を逃し、三十も過ぎてくる。

 手塩にかけた我が娘。決してどこに出しても恥ずかしくない所作さえ身につけさせているというのに、「あの由緒正しい格式高い家の子は女性としての魅力に欠ける」などと、周囲の声も聞こえてくる。父には、それがどれだけ悲しいか知れなかった。
 娘が四十になった頃、「お父さん、私、筋腫の手術をすることになったの」といって実家に寄ってくる。
 聞けば手術は明日だという。父にしてみれば、ああなんと、俺が娘可愛いばかりに行動してきたのが、娘の女としての生き甲斐を奪ってしまった、何とかならないものか、ひょっとして未だ娘は男との情交も一度も交わしてないのじゃなかろうか。今から、町へ降りてそぐう相手を捜してこようか、それともいっそ、この俺が娘と……、などと思い悩む、という小説だそうです。

 想像力の菜の花畑が、作家の心の中には有る。その畑では何をしてもいいのだ、と仰有っていました。(想像する分には)

 先日、別の土地で講演された後に、いかにも気持ち悪い男の人が近寄ってきて、「真理子ちゃん、俺作家志望なんだ、よろしくね。真理子ちゃん、俺ももうじきデビューして、直木賞も獲るからね」と言ってきて、その人が凄く気持ち悪かったらしいのですが、でも、清廉で教養のある人が作家になる場合の方が少なくて、むしろ品行は悪いが才能の有る人も居るので、誰がプロになるか分からない、と話されていました。

 集英社には、出版界の天皇と言われる人物が居て、「今度、アイツに、アレを書かせよう」と命令されるのだそうです。真理子さんも、呼ばれて、昔の女流作家の伝記小説を頼まれたそうです。

 忙しい、と何度も強調されていましたが、それを愉しんでおられるようです。

 講演なので、演台に移動しますが、その時にどうしても体型が気になりました。ストレス太りですね。

 有名税と思ってお許しください。(林真理子ファンの方ごめんなさい)

 時間がなくて、夕飯の後とかにダイニングのテーブルの上を、醤油などを片づけて書かれると仰有ってました。僕なんか、座卓にビールの水分がついていただけでも気にして書けません。(勿論、布巾で拭かれてからのことでしょうが)

 こんな感じで、今日の講演の感想と致します。

 来週は、森まゆみさんです。

 では、また。

コメント

  1. おみ より:

    林真理子氏は、エッセイとかと小説で全く人が違うのでは?
    と思われる位、違います。
    エッセイや私生活の話の方からイメージするものは、
    割と男性には軽い印象を与えるかも、って思いますが。
    『女文士』とか『断崖、その冬の』『胡桃の家』
    とかとか、機会があったら一度読んでみて下さい。
    女性の心理描写とか、すごいです。
    この『anego』にしても、中途半端なドラマにされたから、
    イメージがな〜、って感じですが、
    この本も女の修羅を垣間見る事が出来まして、一読の価値あり、
    と思います。
    男性から見て、女性のイメージがどうなのか、分かりませんが、
    林氏の女性の心理描写は、『かわいいだけのオンナの子描写』
    が好きな男性にはぞっとするものがあるかも、です。
    男性作家には、参考になるものも多いのでは、と思います(笑)。
    (怖いかも)

  2. 山雨 乃兎 より:

    >おみさん
    そんなに林真理子さんの本を読んでいらっしゃるとは、意外なところにファンの方が居られたのですね。
    僕、殆どというか全然まだ読んでない状態で失礼な言及があったかもです。平にご容赦を。
    実は、この講演会に行くことを決めてから、林真理子さんの本を何冊か借りてきていました。でも、読みかけるんだけど、女性視点なのであんまりのめり込めなくて。イカンイカン、おみさんは僕の男性視点の小説を読んでくださったというのに。一度、いやすぐにも一冊、小説の方を読もうと思います。
    ひょっとして、女性の胸の内が分かって怖いのでしょうか。……女性は現実的だから、そういう心の内が書かれているのかもですね。おみさんの仰有る通り男性は女性の普段の気持ちって知っていないものです。知らない方が穏やかにいくのかもです。
    でも、ここはひとつ、書き手として探ってみたいと思います。
    今日の講演でも、瀬戸内寂聴さんと女だけのウチワ対談をしたお話しをされていましたが……、かなりストレートに自分だけが知っている業界裏話(小説家の誰と誰が実は……)などというのをされるそうで、それが滅茶苦茶楽しいと仰有っていました。
    何か多分、僕の文章は的を射てはいないだろうけど……。やっぱりTVで知ってるだけではなく作品を読まないとですね。
    では、また。(^。^)

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