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西村賢太 著『どうで死ぬ身の一踊り』読了(追記あり)

西村賢太さんの、『どうで死ぬ身の一踊り』の収録作中の、同名作『どうで死ぬ身の一踊り』を読みました。


どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)

どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)

  • 作者: 西村賢太
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/09
  • メディア: Kindle版

感想は、明日挙げますね。

追記をお待ちください。

逝去した作家、藤澤淸造を祀ることに熱心な主人公。

おそらく、ライフワークのように、その行為が重要なのでしょう。唯のファンの域を超

えています。でも、こういう殊勝な人が居るから、芸術が後世に伝わっていくのです。こ

れだけ男が男に惚れるという気心は、そういう対象がいらっしゃるというのは凄く羨まし

いことです。

その主人公(男性)が、或る女と同棲する。

それまで十年くらい女性とのつき合いがなかった主人公に訪れた僥倖。

しかし、その生活のなかで、些細なことで女と諍いになる。

この気持ちは、私にも分かります。

一緒に住んでいると、お互いにフランクになって、それが、軽い気持ちで言った一言が、

相手には非常に腹が立ったりすることもあります。そういう意味で、夫婦も他人なのです

から。

主人公は女に手を挙げたりもしてしまう。

女を追いだした主人公だったが、やっぱり、独り身に戻って永くなってくると、どうも

こうも不便なのと淋しいのと、心細いのと女に対する恋心も再燃して、藤澤淸造展の記念

講演のスピーチ原稿も書けない。

不本意ながら、女に何度も謝り、縒りを戻す。

あー、何とも、人間というものは、スムーズにいかない。そう思わされました。

DVと言って世の中で騒がれていますが、当人たちの間では、手を挙げさせる相手にも

問題があったりします。それが、こうだから、こっちが悪い等と決められる問題ではあり

ませんが…。

人間、殆どの場合で相性が合うけど、深い話しをすると、お互いが相手の懐に踏み込ん

だ迂闊な一言を言ってしまったり、で。

本文中の心理描写は切々と、生活そのものを浮き出しています。

・西村賢太氏、他の著作の感想→  『小銭をかぞえる』  『苦役列車』

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